四季講堂(読み)しきこうどう

日本歴史地名大系 「四季講堂」の解説

四季講堂
しきこうどう

[現在地名]大津市坂本本町

横川中堂の東に位置し、良源(九一二―九八五)の住房定心じようしん房を起源とする。同房で春夏秋冬の四季に学徒を集め大乗経典の講経と論義を行ったので四季講堂とよばれ、また良源死後その画像を安置し全国の元三大師信仰の拠点となり、元三大師がんざんだいし堂とも称された。

〈近江・若狭・越前寺院神社大事典〉

〔定心房〕

房の建立時期は未詳だが、その規模は良源自筆の遺告(国宝、京都廬山寺蔵)に「横川定心房」とみえ、檜皮葺屋一・板屋一・東板屋二の四宇の建物からなり間数も注記されるが、本尊には等身の金色弥勒坐像が安置されたので(叡岳要記)龍華りゆうげ院とも称される。良源は五五歳のとき第一八代天台座主につくが、寛和元年(永観三年、九八五)一月三日に横川で入寂するまでの一九年間、山上の堂塔伽藍を整備し、広学竪義の論義を始めて学問の興隆をはかり、二十六箇条起請を制定して僧風を刷新するなどその活躍はめざましく、比叡山中興の祖、伝教大師再来と仰がれている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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