四明ヶ岳(読み)シメイガダケ

デジタル大辞泉 「四明ヶ岳」の意味・読み・例文・類語

しめい‐が‐だけ【四明ヶ岳】

比叡山ひえいざん東西に分かれた西の山頂天台宗聖地中国四明山にちなむ名。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「四明ヶ岳」の解説

四明ヶ岳
しめがだけ

叡山山頂の西に位置し標高八三八・八メートル。その名は唐の天台山四明峰を擬したといい、四明しめい山・四明山岳・四明峰しみようのみねともよばれる。山頂からの遠望は雄大で、「都名所図会」に「絶頂より快晴の日は西海淡路島、四国の海路幽に見ゆるなり」とある。

頂上はやや平坦で将門岩まさかどいわとよばれる岩がある。「神皇正統記」「将門純友東西軍記」などでは、平将門と藤原純友が山上に会し、京都盆地をながめつつ京の占領を相談したと記すが、それにゆかりの岩と伝える。四明ヶ岳は叡山の霊地として山門僧徒の修行の場でもあり、「太平記」巻一二に「延暦寺第十三ノ座主、法性坊尊意贈ほふしやうばうそんいぞう僧正四明しめい山ノ上、十乗ノ床前ニ照観月心水御坐ケル」という記事がみえ、観月瞑想の場であったことを示す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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