9世紀後半から諸国に置かれた国衙の下級職員。定員2名。初見は《日本三代実録》貞観10年(868)10月28日条であるが,同書に翌11年末から12年にかけて出羽など9ヵ国で国掌新設記事がみえ,この時期に集中的に設置されたと思われる。国掌の職務を明示する史料はないが,《類聚符宣抄》所収の国掌補任官符の記事から,太政官の官掌と同じく政事や訴訟の鋪設,申政や訴訟のさいの礼儀作法やことばづかいの指導がおもな職務であったと思われる。国掌が置かれるようになった背景には,京職職掌設置の事情と同様の状況が想定される。在地諸勢力の反国衙行動が活発化するなかで,国司官長の主導のもとに国衙権力を再建強化する諸方策の一環として,申政・訴訟のさいの威儀の回復をめざしたものと考えられる。平安中期以降は,在庁機構の一分課〈国掌所〉となる。
執筆者:下向井 竜彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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