国栖紙(読み)クズガミ

デジタル大辞泉 「国栖紙」の意味・読み・例文・類語

くず‐がみ【×栖紙】

奈良県国栖地方で産する和紙コウゾいた厚紙で、表具などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「国栖紙」の意味・読み・例文・類語

くず‐がみ【国栖紙・葛紙】

  1. 〘 名詞 〙(こうぞ)で漉(す)いた厚紙の一種。奈良県吉野地方で産出するもの。宇陀紙
    1. [初出の実例]「くずがみの雑紙より山椒一粒取出し」(出典:仮名草子・竹斎(1621‐23)下)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国栖紙」の意味・わかりやすい解説

国栖紙
くずがみ

大和(やまと)国(奈良県)吉野川上流の国栖(吉野町国栖)を中心に、現在も漉(す)き続けられている和紙。国樔紙とも書く。一説淡路国(兵庫県)の産紙というのはまったくの誤解である。製紙は比較的早く室町時代に始まると考えられる。国栖紙は吉野紙同様薄いが、柔軟でしかも非常に強いため、厚手のものはとくに漆漉(こ)し、油漉しなどとよばれて漆の精製や油を漉すのに用いられる。また表具用にもなる。

[町田誠之]

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