国際宇宙ステーション(読み)コクサイウチュウステーション

デジタル大辞泉 「国際宇宙ステーション」の意味・読み・例文・類語

こくさい‐うちゅうステーション〔‐ウチウ‐〕【国際宇宙ステーション】

米国・ロシア・欧州諸国・日本・カナダの15か国が共同運用する有人宇宙施設。幅約108メートル、長さ約73メートル。地上約400キロ上空を周回しながら、宇宙環境を利用した実験・研究や地球・天体の観測を行う。ISS(International Space Station)。
[補説]各国が開発したパーツを40数回に分けて打ち上げ、宇宙空間で組み立て、2011年7月に完成。複数の実験モジュール、それらをつなぐノード(結合モジュール)、居住モジュール、太陽電池パドルロボットアームなどで構成される。日本は実験棟「きぼう」と補給機「こうのとり」を提供。第39次長期滞在ミッション(2014年3月9日~5月14日)では、若田光一宇宙飛行士が日本人として初めてコマンダー船長)を務めた。

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百科事典マイペディア 「国際宇宙ステーション」の意味・わかりやすい解説

国際宇宙ステーション【こくさいうちゅうステーション】

米国,ヨーロッパ,日本,カナダ,ロシアなどの国際協力で進められている有人宇宙基地。略称ISS。1998年冬に米ロが担当の部分の打上げをスペースシャトルなどを使い開始し,2011年7月に完成した。実験・居住モジュール7棟と太陽電池パネルからなり,規模は長さ72.8m,幅108.5m,総重量420t,6名搭乗軌道高度は約420kmで,日本は実験モジュール〈きぼう〉を担当。2000年11月には米(1名),ロシア(2名)の宇宙飛行士がロシアのソユーズ宇宙船で軌道に打ち上げられ,居住棟〈ズベズダ(星)〉にドッキングし,長期滞在を行った。日本人の長期滞在は若田光一(2009年,2013年,2014年),野口聡一(2010年),古川聡(2011年),星出彰彦(2012年),油井亀美也(2015年)。当初計画では2016年までの運用だったが,2020年まで延長。更に米国を中心に2024年までの延長が検討されている。
→関連項目宇宙ステーションスペースシャトル

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知恵蔵 「国際宇宙ステーション」の解説

国際宇宙ステーション

米国が提唱し、カナダ、日本、欧州、ロシアが協力している有人の宇宙施設。高度約400km、赤道に対して傾斜角52度の軌道にサッカー場程度の大きさの多目的の建築物を建造する。米国のスペースシャトルとロシアのプロトン・ロケットを使って40数回に分けて宇宙へ機材を運び、宇宙で少しずつ大きく組み立てていく。2010年に完成予定。1998年11月にロシアがザリャー(曙)という制御棟を打ち上げ、次いで同年12月に米国がユニティ(統一)という連結棟を打ち上げ、軌道上でドッキングに成功した。その後も相次いで打ち上げが行われ、すでに飛行士の滞在が開始されている。2005年7月には、日本の野口聡一飛行士がスペースシャトルに搭乗してISSに入り、3回の船外活動を含む実験等を行った。07年から3回に分けて、日本の実験モジュール「きぼう」(JEM : Japan Experimental Module)が運ばれ、ISSに取り付けられる。その第1便のミッションに日本の土井隆雄飛行士の搭乗が予定されている。

(的川泰宣 宇宙航空研究開発機構宇宙教育センター長 / 2007年)

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