① コウノトリ科の鳥。全長一一〇センチメートル、翼開張二メートルに達する。体は純白で翼の大部分は光沢ある黒色。カエル、魚などを主食とし、マツその他の高木の樹頂に営巣。古来「松上の鶴」と表現されるようにツルとしばしば混同されるが、あしが赤く、頭頂部は赤くないことで区別できる。鸛鶴(こうづる)ともいう。アジア東部に分布し、日本ではかつては各地で繁殖していたが、明治以降に激減し、いまは冬季に大陸から渡来するのみ。特別天然記念物。ヨーロッパ産の亜種はシュバシコウといい、子を守る愛情の深い鳥とされ、また、人間の赤ん坊を運んでくるという伝説がある。鴻(こう)。〔書言字考節用集(1717)〕
② コウノトリ科の鳥の総称。脚と頸が長く、比較的頭と嘴の大きな、大形の鳥。水辺や草原にすみ、小動物を主食とする。アフリカ、アジアの熱帯に最も多く、世界に一七種を産する。日本にはコウノトリのほか、稀にナベコウが渡来。