生物学に関する問題を解く能力を競う国際大会。国際科学オリンピックの一つである。略称IBO。生物学に関心をもつ中等教育課程生徒(主として高校生)が対象。生物学の才能のある生徒を集め、将来の優れた科学者を育てることを目的とする。1985年から1989年に当時のチェコスロバキアとポーランドの間で行われていた国際生物コンテストが原点であり、1990年に第1回大会が現在のチェコ共和国のオロモウツで開かれた。生物学は自然保護や環境保全に関連する行動生物学や生態学などを含むため、この大会を主催する国際生物学オリンピック委員会の活動には政府系機関や民間団体、企業、大学をはじめ、多くの組織がかかわっている。開催の規定や試験内容はプラハにある事務局が統括している。大会は毎年1回、7月に1週間ほどの日程で開かれ、参加国は最大4名の選手を派遣することができる。日本は2005年の第16回北京(ペキン)大会から参加している。2009年(平成21)には日本で初めての大会が茨城県つくば市で開催され、56の国と地域から221名の選手が参加した。試験は生物学全般から出題される理論問題と、生物学的実験の手技に関する実技の2部構成で、2日間で各5時間前後をかけて行われる。成績優秀者の上位から約1割に金、次の約2割に銀、次の約3割に銅のメダルが授与される。
日本からは、国際生物学オリンピック日本委員会Japan Biology Olympiad Committeeが毎年開催する日本生物学オリンピックの成績優秀者が代表選手として派遣される。日本生物学オリンピックは生物学のおもしろさを広く伝えることを目的に、各都道府県に予選会場を設置するなどの大規模な運営によって実施されている。
[編集部]
(2018-7-26)
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