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国際移住機関 こくさいいじゅうきかんInternational Organization for Migration; IOM

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際移住機関
こくさいいじゅうきかん
International Organization for Migration; IOM

世界的な人の移動(移住)の問題を専門に扱う国際機関移民個人への直接支援から関係国への技術支援,移住問題に関する地域協力の促進などを行なう。1951年に設立されたヨーロッパ移住政府間委員会 ICEMが 2度の改称を経て,1989年に現名称となった。日本は 1993年に加盟した。本部スイスジュネーブ。2012年現在加盟国は 146。

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知恵蔵の解説

国際移住機関

1951年、欧州からの移民の手助けをするために設立された政府間国際機構。何度か名称を変更し、80年に政府間移住委員会(ICM)の名称にした後、87年から現在の名称を用いている。本部ジュネーブ、加盟国118のほか、オブザーバー国20。基本的に平和的な移住ないし移民を支援するのが目的だが、次第に難民に対する緊急救援活動にも手を広げていった(56年のハンガリー動乱、68年のチェコスロバキアへのワルシャワ条約機構の介入など)。現在は以下の主要4分野で活動を構成している。(1)人道的移住(紛争地域からの難民や政治的亡命者に対し、安全の確保・移住書類作成・健康診断・輸送・語学教育など、様々な支援を行う)、(2)開発のための移住(技術者や熟練労働者がその本国である開発途上国に帰還するのを手助けする)、(3)技術協力(各国政府や国際機関、非政府組織〈NGO〉に対し、移住に関する助言を行う)、(4)移住論議・研究・情報(セミナーや会議を開催して移住や難民に関する啓蒙を行う)。現業活動資金は年間10億ドル前後。2003年7月、米英等による武力攻撃後のイラクで活動していた要員が攻撃され、注目された。

(最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際移住機関
こくさいいじゅうきかん
International Organization for Migration

移民の保護や難民の輸送などを行う国際機関。略称IOM。「正規のルートを通して、人としての権利と尊厳を保障する形で行われる人の移動は、移民と社会の双方に利益をもたらす」を基本理念として、紛争、迫害、自然災害、貧困などで国境を越えて移動する移民、難民、被災者らを支援する役割を担っている。ヨーロッパから中南米への移民支援組織として1951年に発足した暫定ヨーロッパ移民移動政府間委員会(ICEM)が前身で、1989年の国際移住機関憲章改正を機に、常設組織の国際移住機関となった。国際連合総会オブザーバー資格をもつ。本部はスイスのジュネーブで、世界約460か所に現地事務所を置く。2015年12月時点での加盟国は162、オブザーバー国は9で、日本は1993年(平成5)に加盟した。トップは任期5年の事務局長職で、2015年末時点での職員数は9000人以上。
 移民や難民に関する各種調査を実施しており、移民・難民数のほか、それに伴う迫害や死傷者、人身取引、不法入国などの実態を調べて公表している。移民・難民個人に対する直接支援としては、難民の登録、医療機関への移送、仮設住宅の提供、移民や帰国者への小規模融資、帰還・定住支援、家族の呼び寄せ、渡航手続きや語学研修の支援などを実施している。また、移民・難民や援助物資を安全に輸送するため、加盟国へ航空機や資金などの提供を要請するほか、緊急人道支援の必要性や救命活動を求める声明を世界に向けて発信している。このほか関係国への技術支援、移住問題に関する地域協力の促進、専門家の交流、元戦闘員の社会復帰支援などにも取り組んでいる。[矢野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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