国際金融協会(読み)コクサイキンユウキョウカイ

デジタル大辞泉 「国際金融協会」の意味・読み・例文・類語

こくさいきんゆう‐きょうかい〔‐ケフクワイ〕【国際金融協会】

アイ‐アイ‐エフ(IIF)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際金融協会」の意味・わかりやすい解説

国際金融協会
こくさいきんゆうきょうかい
The Institute of International Finance

世界の金融システムの安定を維持する目的で設立された国際的組織。英語の頭文字をとってIIFと略称する。1970年代後半から1980年代初頭の途上国債務問題に協調対処するため、1983年、日米欧などの10か国の38民間金融機関が出資して発足した。本部をアメリカのワシントンに置き、ブリュッセルドバイ北京(ペキン)、シンガポールに地域事務所をもつ。金融業界を代表する国際団体として、業界の健全な発展のため、世界や各国別の成長率、対外債務、資本流入額などの金融・経済動向を調査・分析し、定期的に公表。リスク管理を支援し、金融に関する基準や規制などの導入を金融政策当局に提言している。当初、累積債務やカントリー・リスクに関する情報収集・発信に力点を置いていたが、近年は金融危機、大災害、感染症拡大などによる資金移動の分析のほか、環境・社会問題解決のためのESG投資フィンテックに関する基準づくりについて提言している。2022年10月時点で民間銀行、開発銀行、証券会社、保険会社、投資ファンド、格付け会社、財務省、中央銀行、シンクタンクなど60以上の国・地域の約400機関が参加している。トップは会長職で、大手金融機関のトップが務めることが多い。日本人では元財務官の行天豊雄(ぎょうてんとよお)(1931― )が1994年~1997年に第5代会長を務めた。毎年国際通貨基金IMF)・世界銀行年次総会と並行して年次総会を開く。2012年(平成24)には、日本で年次総会が開催された。

[矢野 武 2022年12月12日]

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