土地本位制(読み)とちほんいせい(英語表記)land standard

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土地本位制」の意味・わかりやすい解説

土地本位制
とちほんいせい
land standard

1980年代後半,土地含み益担保信用が膨張していく状況が生まれた。これを金本位制とのアナロジーとして「土地本位制」ということがある。地価高騰の中で,企業は膨大な土地の含み益を担保にして,企業設備の更新・拡充のほか不動産の購入,経営の多角化,海外の企業買収などのための資金を安く手に入れた。金融機関の側では,貸付け審査において担保としての土地の重要性が著しく高まり,土地が無ければ信用を与えないという風潮が生まれたともいわれた。ただし,これは土地の高騰に拍車を掛けた一方,貸し付けに当たっては担保としての土地ではなく,プロジェクトの性格自体を重視すべきだといった指摘もある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android