地上権の一種で、他人の土地の地下だけを使用する物権をいう。この権利は、1966年(昭和41)の民法改正で認められた(民法269条の2)。地表の利用権者(所有者、地上権者、賃借権者など)の権利は地上・地下に及ぶから、従来の考えによれば、たとえば地下鉄や地下駐車場などの建設のように地下だけを使用する場合であっても、その使用者は地表の所有権、地上権などを取得しなければならなかった。しかし、この場合、地下だけの使用者にとって地表の権利は不必要であると同時に、地下だけの使用者が地表の権利を取得する結果として地表の利用が妨げられることになり、地下だけの使用のために地表の権利を取得しなければならないとすることは不経済でもあろう。そこで、地表の権利とは独立に、地下だけの利用権を認めようという声が強くなり、この権利が創設されたのである。
[高橋康之・野澤正充]
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…その目的は,土地の立体的利用を容易にすることにあり,これにより,地下鉄,地下街,高架道路などのために,同じ土地の地下・空間に複数の地上権を設定することが可能となった。この場合の地上権を,地下権,空中権,また両者を総称して区分地上権ともいう。【内田 貴】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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