(読み)カ

デジタル大辞泉 「蚊」の意味・読み・例文・類語

か【蚊】

双翅そうし目カ科の昆虫総称。体や脚は細く、はねも細くて2枚あり、ふんが発達し針状。飛ぶときは毎秒2000回以上も翅を動かすため、羽音周波数は高い。雌は人畜を刺し血を吸う。水面に産みつけた卵からかえった幼虫は水中にすみ、ぼうふらとよばれる。さなぎは勾玉まがたま形をしていて、鬼ぼうふらとよばれる。主に夏に成虫になる。イエカハマダラカヤブカなど種類が多く、アカイエカ日本脳炎を、ハマダラカマラリアを媒介する。 夏》「叩かれて昼の―を吐く木魚かな/漱石

ぶん【蚊】[漢字項目]

常用漢字] [音]ブン(漢) [訓]
〈ブン〉昆虫の名。カ。「蚊虻ぶんぼう蚊雷飛蚊症
〈か〉「蚊柱家蚊
難読蚊帳かや

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蚊」の意味・読み・例文・類語

か【蚊】

  1. 〘 名詞 〙 ハエ双翅)目、カ科に属する昆虫の総称。体長は五~六ミリメートルくらいで、体色は褐色または黒褐色。からだ、翅(はね)、あし、ともに細い。頭部に一対の複眼、毛状の触角および筒状にのびた口吻(こうふん)をもつ。胸部には一対の透明な翅と、三対の長いあしがあり、飛ぶときに特有の羽音をたてる。雌は口吻を人や家畜の皮膚につき刺して血を吸い、雄は植物の汁を吸う。マラリア、日本脳炎など伝染病の媒介をするものもある。幼虫は棒状ボウフラと呼ばれ、水中にすみ、夏、盛んに発生する。蛹(さなぎ)オニボウフラと呼ばれ、コンマ形にからだが曲がり、やはり水中を泳ぐ。世界の陸地に広く分布し、日本ではハマダラカ類、イエカ類など約一〇〇種が知られている。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「蚊蟻 上可(カ)、下音疑 訓安利乃古」(出典:新訳華厳経音義私記(794))

蚊の補助注記

「新訳華厳経音義私記」には「蚊蚋虻蠅〈略〉上二字加安(カア)、下二字阿牟」、「金光明最勝王経音義」にも「加阿」とあり、カーと長く引いて発音したと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「蚊」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)
10画

(異体字)
17画

[字音] ブン
[字訓]

[説文解字]

[字形] 形声
正字はに作り、民(みん)声。はその一体の字で(文)(ぶん)声。ともにその羽音を写した擬声語である。国語の「か」「かあ」も擬声語。〔説文〕十三下に「人を齧(か)む飛蟲なり」という。〔漢書、中山靖王伝〕に「聚、雷をす」とあり、宋の陸游の詩に「雷」という語がある。

[訓義]
1. か。
2. 字はまたに作る。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 口夫止(くちぶと)/ 蚋に似て稍(やや)大なり。久知夫止我(くちぶとか) 〔和名抄 賀(か)/火 加夜利火(かやりび) 〔名義抄 カ・クチフト/ クチフト

[熟語]
蚊蟻・蚊脚蚊吟・蚊香蚊幌・蚊子・蚊市・蚊首蚊睫・蚊陣・蚊声・蚊蚋蚊廚・蚊蚊帳・蚊蚊虻・蚊蠅・蚊翼・蚊雷・蚊力
[下接語]
秋蚊・聚蚊・蒼蚊・暮蚊・捫蚊・野蚊・燎蚊

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「蚊」の解説

蚊 (カ)

動物。カ科の昆虫の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android