外部性(読み)がいぶせい

百科事典マイペディア 「外部性」の意味・わかりやすい解説

外部性【がいぶせい】

ある個人・企業の行動市場を経ずに他の経済主体の行動に与える影響。externalitiesの訳語。影響を受ける側から見て有利なものを外部経済といい,不利なものを外部不経済という。公害外部不経済の一種である。外部性が存在する場合には,市場機構によっては資源配分の効率性が保証されず,いわゆる〈市場の失敗〉を生む。したがって,これらの効果が価格などの市場で決定される変数に反映されるようにする必要がある。例えばA.C.ピグーは,外部経済を発生する経済主体補助金を交付し,外部不経済をもたらす主体に課税することを考えた。
→関連項目社会的費用

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外部性」の意味・わかりやすい解説

外部性
がいぶせい
externality

経済用語。市場取引に伴って,その副次的効果が市場を経由せずに取引当事者あるいはそれ以外の第三者に及ぶこと。それがメリットである場合には外部経済,デメリットである場合には外部不経済と呼ぶ。たとえば,公害の発生は,その被害者が市場取引参加者以外に及ぶことが多く,外部不経済が発生していることになる。また,隣人庭園を整備することにより,自分の庭に借景として取入れることができるというのは,外部経済の例である。なお地球温暖化原因と考えられる二酸化炭素などの抑制のために課される環境税は,外部性に対する課税政策の一例である。

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世界大百科事典(旧版)内の外部性の言及

【外部経済・外部不経済】より

…公害と呼ばれる現象は外部不経済の典型的な例である。 外部経済と外部不経済を合わせて単に外部効果external effectあるいは外部性externalitiesともいう。外部効果がもつ重要な経済的意味は市場機構の効率的な運行を妨げ,いわゆる〈市場の失敗〉を生むことである。…

※「外部性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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