大回り(読み)オオマワリ

デジタル大辞泉 「大回り」の意味・読み・例文・類語

おお‐まわり〔おほまはり〕【大回り】

[名](スル)
大きな円弧を描いて回ること。また、道の曲がり角などを大きく外側にふくらんで回ること。⇔小回り
遠くを通って目的地まで行くこと。遠回り。「道が不通になったので大回りして行く」
歌舞伎などで、役者舞台を大きくひと回りすること。

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精選版 日本国語大辞典 「大回り」の意味・読み・例文・類語

おお‐まわりおほまはり【大回・大廻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大きな円を描いて回ること。
  3. 道を行くのに、近い道を通らないで遠くを通って行くこと。遠回り。迂回
    1. [初出の実例]「松屋町筋に大まはりするこそおかしけれ」(出典:浮世草子・椀久二世(1691)下)
  4. 能または歌舞伎で、役者が舞台を大きく一回りすること。
  5. 歌舞伎の立ち回りの一つ。主役を中心に大勢がその周囲を大きく回ること。
    1. [初出の実例]「殺陣の名目 一千鳥 一大廻り」(出典:劇場新話(1804‐09頃)上)
  6. 拝堂社参・回峰等の行を、広い範囲で勤めること。比叡山回峰行における京都大廻りは有名。
    1. [初出の実例]「六月廿六日に加行始畢。社参、大廻、子守漢国、観禅院滝蔵迄、参詣畢」(出典:維摩会竪義日記(1589))
  7. 取引所での株式売買の方法。すべての銘柄について第一回の立会を行ない、一回り終わったあと、また、はじめから第二回目、第三回目の立会を行ない、最終の値段を決定すること。〔取引所用語字彙(1917)〕
  8. おおまわし(大回)
    1. [初出の実例]「江戸大廻り被遣節は船足四寸」(出典:元居書抜(徳島藩)‐安宅・貞享三年(1686)一〇月一三日)

おお‐めぐりおほ‥【大回・大廻・大周】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大きくまわること。大まわり。
    1. [初出の実例]「其より遙に遠き大空を、右めぐりに漂ひ行きて、大周(メグ)り一周する」(出典古道大意(1813)下)
  3. 法会(ほうえ)供養のとき、大まわりにまわって行道すること。
    1. [初出の実例]「こなたかなたの御堂、おほめぐりにやがてめぐれば」(出典:栄花物語(1028‐92頃)音楽)
  4. 加行(けぎょう)にあたり、広い範囲で社参・拝堂を行なうこと。
    1. [初出の実例]「禅公加行大廻也、依雨下同学賢英擬講為代官」(出典:大乗院寺社雑事記‐文明二年(1470)九月一日)

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