大堀相馬焼(読み)おおぼりそうまやき

共同通信ニュース用語解説 「大堀相馬焼」の解説

大堀相馬焼

福島県浪江町に300年以上前から伝わるとされる国指定の伝統工芸品表面に細かく入る「青ひび」、「二重焼」と呼ばれる中空構造、疾走する馬の絵付けが特徴。産地の同町大堀地区は東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となった。20軒以上あった窯元は県内外に避難を強いられ、半数ほどが休止廃業に追い込まれた。伝統を絶やさないよう、窯元は特定復興再生拠点区域(復興拠点)に指定され、観光拠点「陶芸もりおおぼり」と共に避難指示が解除された。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「大堀相馬焼」の解説

大堀相馬焼[陶磁]
おおぼりそうまやき

東北地方、福島県の地域ブランド。
双葉郡浪江町で製作されている。江戸時代初期に相馬藩士・半谷休閑の下僕であった左馬という人物によって創始されたとされる。相馬藩が焼き物づくりを保護・育成したため、江戸時代末期には100余りの窯元が並ぶ、東北地方で最大の産地になった。特徴は、七貫青磁のような亀裂の入った青ひびと、狩野流で描いた走り駒の絵と独特の二重焼。福島県伝統的工芸品。1978(昭和53)年2月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「大堀相馬焼」の解説

大堀相馬焼

福島県双葉郡浪江町の大堀地区に伝わる焼き物。「大堀焼」ともいう。製造起源は元禄年間に遡る。藩政時代には「相馬焼」と呼ばれた。国の伝統的工芸品。2011年3月の福島第一原子力発電所事故による放射線被害により、産地では釉薬に使用する石の採石が出来なくなるなどの危機に見舞われたが、同じ発色をする釉薬を開発して生産を再開している。地域団体商標

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