大幣・大麻(読み)おおぬさ

精選版 日本国語大辞典 「大幣・大麻」の意味・読み・例文・類語

おお‐ぬさ おほ‥【大幣・大麻】

〘名〙
① 祓(はら)えのときに用いる大串につける幣帛(へいはく)。祓えのあと、人々がこれを引き寄せてからだを撫で、罪やけがれをそれに移したという。
古事記(712)中「国の大奴佐(おほヌサ)を取りて生剥・送剥〈略〉牛婚鶏婚・犬婚の罪の類を国の大祓(おほはらへ)を為て」
古今(905‐914)恋四・七〇六「おほぬさのひくてあまたになりぬれば思へどえこそ頼まざりけれ〈よみ人しらず〉」
② (形動) (①の「古今集」の歌から) 心があちこちにひかれること。また、その者。
※古今(905‐914)雑体・一〇四〇「われをのみ思ふといはばあるべきをいでや心はおほぬさにして〈よみ人しらず〉」
③ (引く手あまたの意から) ひいき客の多い歌舞伎若衆遊女
評判記・剥野老(1662)吉川六彌「よし川のなかれ名にたつおほぬさはひくてになびく心くやしき」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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