大鰐町(読み)おおわにまち

日本歴史地名大系 「大鰐町」の解説

大鰐町
おおわにまち

面積:一六四・八五平方キロ

南津軽郡南部、矢捨山やすてやま山地と大鰐山地の中にある。北西津軽平野南端部で弘前市、北は平賀ひらか町、南東碇ヶ関いかりがせき村、南は秋田県北秋田きたあきた田代たしろ町・大館おおだて市に接する。三ッ目内みっめない川と虹貝にじかい川がほぼ並行して北へ流れ、東から西へ流れるひら川へ注ぐ。このため平地はきわめて少なく、三つの河川流域に沿って水田・傾斜地に林檎園が開ける。温泉が平川を挟んで大鰐と蔵館くらだてに湧出し、開発の時期は不明だが、江戸時代以降、湯治場として藩主をはじめ多くの人々に利用されてきた。現在は碇ヶ関村とともに大鰐碇ヶ関温泉郷県立自然公園に指定されている。阿闍羅あじやら山は大正一〇年(一九二一)にスキー場として利用されて以来、全国有数のスキー場へ発展した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大鰐町」の意味・わかりやすい解説

大鰐〔町〕
おおわに

青森県南部,津軽平野の南端にある町。南は秋田県に接する。 1923年町制。 54年蔵館 (くらだて) 町と合体。町の中央を貫流する岩木川の支流平川の両岸に温泉が湧出。江戸時代,弘前藩3代目の藩主が入湯以来温泉地として発展。客舎と呼ばれる自炊湯治客の宿舎が多数あり,近郊農民の季節的湯治場になっている。周囲の傾斜地にはリンゴ園が多く,背後の阿闍羅 (あじゃら) 山には古くから知られた大鰐温泉スキー場がある。大円寺には重要文化財の木造阿弥陀如来坐像があり,大日如来として信仰を集め,土用の丑の日に丑湯祭が行われる。 JR奥羽本線,東北自動車道,国道7号線が平行して走っている。大鰐碇ヶ関温泉郷県立自然公園に属する。面積 163.43km2。人口 8665(2020)。

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