天人の五衰(読み)テンニンノゴスイ

精選版 日本国語大辞典 「天人の五衰」の意味・読み・例文・類語

てんにん【天人】 の 五衰(ごすい)

  1. 仏語天人臨終の時に現われるという五種衰相死相)。天上五衰
    1. [初出の実例]「世の変り行く有様は、唯、天人の五衰に異ならず」(出典:平家物語(13C前)二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天人の五衰」の意味・わかりやすい解説

天人の五衰
てんにんのごすい

天界衆生 (天人) が命が尽きようとするときに示す5種の兆候をいう。『倶舎論』には大小の5種の兆候を説く。大の5種の兆候── (1) 衣服あかでよごれる。 (2) 頭上華鬘 (けまん) がなえてしまう。 (3) 身体がよごれて臭気を発する。 (4) 脇の下に汗が流れる。 (5) 自分の座席を楽しまない。小の5種の兆候── (1) 楽しい声が起らない。 (2) 身体の輝きが急になくなってしまう。 (3) 沐浴したときに水が身体に付着してしまう。 (4) まわりの光景に執着してしまう。 (5) 目を盛んにぱちぱちする。大の5種の兆候が現れれば必ず死ぬが,小の5種の兆候が現れてもすぐれた善根に会えば,それを克服することもあるという。

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