天長寺(読み)てんちようじ

日本歴史地名大系 「天長寺」の解説

天長寺
てんちようじ

[現在地名]都城市都島町

大淀川上流、現天長寺橋西側の高台にある。松林山成就院と号し、高野山真言宗。本尊は十一面観音。江戸時代は真言宗大乗だいじよう(現鹿児島市)末寺。この地は老松が林をなし、老松の下で常に仏経を唱える松林尼和尚とよばれる比丘が住んでいたという。天文七年(一五三八)八月北郷忠相により祈願の道場として創建された。この年の一月忠相は新納忠勝に奪われていた財部たからべ(現鹿児島県財部町)を、財部寿福院快成とその弟財部仏性院舜叡と謀って鶏の鳴声を模して城内から内応させて回復、当寺を建立して舜叡を開山としたと伝える(三国名勝図会)

天長寺
てんちようじ

[現在地名]恵那市三郷町野井

野井のいの平坦地の南側山麓にある。地久山と号し、曹洞宗。本尊は釈迦如来。正保三年(一六四六)丹羽氏定が岩村藩主になると、氏定は弟の氏春に恵那郡野井村・ふじ村のうちなどで一千石を分知した。氏春はのち信氏と名乗り、旗本として江戸にあり、御小姓頭や御鉄砲頭などを勤めた。明暦元年(一六五五)氏春は父氏信と生母於徳の方の報恩孝養のため新寺建立を発願し、於徳の方の護持仏の釈迦如来を本尊とし、丹羽本家の菩提寺である妙仙みようせん(現兵庫県加東郡社町)の第一二世木吼観香を開山とし、翌二年当寺を創建した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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