太政官庁(読み)だいじょうかんちょう

精選版 日本国語大辞典 「太政官庁」の意味・読み・例文・類語

だいじょうかん‐ちょうダイジャウクヮンチャウ【太政官庁】

  1. 〘 名詞 〙 太政官役所。また、その正庁後房、東西庁のうち特に、正庁をいう。大内裏の内、朝堂院の東にあった。古くは、国政を処理するところであったが、列見・定考(こうじょう)などの儀式も行なわれ、中世以後には、さらに即位大嘗祭も行なわれた。官庁。官の庁。だじょうかんちょう。
    1. [初出の実例]「是日、虹見於太政官庁前」(出典日本文徳天皇実録‐仁寿三年(853)一〇月己未)

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改訂新版 世界大百科事典 「太政官庁」の意味・わかりやすい解説

太政官庁 (だいじょうかんちょう)

〈だじょうかんちょう〉とも読む。略して〈官庁〉ともいい,また〈官司〉ともいう。律令官制としての太政官の少納言局(その下僚に外記がいるので,外記局ともいう)と弁官局に所属する官人は,本来,朝堂院(八省院)内の暉章堂を執務の場としたが,律令体制の整備に伴う機構の拡充と官人の増加により,朝堂院外に政庁を持つに至った。そのとき,外記局の政庁と弁官局の政庁が別個に設けられ,前者が外記庁(平安宮では内裏建春門の東),後者が太政官曹司,太政官庁または弁官庁などと呼ばれた。平安宮では,内裏の南,朝堂院の東に,東西56丈,南北40丈の地を占め,正庁,東庁,西庁,朝所(あいたんどころ)などの建物があった。平安時代中期以降,平常事務が官人各個の邸宅で行われるようになったため,太政官庁は列見(れつけん)以下の年中行事的儀式執行の場となり,朝堂院の廃絶以後は,即位礼,大嘗会などの大礼・大祀もここで行われるようになった。
弁官
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世界大百科事典(旧版)内の太政官庁の言及

【太政官庁】より

…律令官制としての太政官の少納言局(その下僚に外記がいるので,外記局ともいう)と弁官局に所属する官人は,本来,朝堂院(八省院)内の暉章堂を執務の場としたが,律令体制の整備に伴う機構の拡充と官人の増加により,朝堂院外に政庁を持つに至った。そのとき,外記局の政庁と弁官局の政庁が別個に設けられ,前者が外記庁(平安宮では内裏建春門の東),後者が太政官曹司,太政官庁または弁官庁などと呼ばれた。平安宮では,内裏の南,朝堂院の東に,東西56丈,南北40丈の地を占め,正庁,東庁,西庁,朝所(あいたんどころ)などの建物があった。…

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