デジタル大辞泉
「奥口」の意味・読み・例文・類語
おく‐ぐち【奥口】
1 家の奥へ通じる出入り口。
「時に―ざざめいて、はや御立ちと」〈浄・丹波与作〉
2 反物の巻き口には品質のよい部分を出し、織りむらなどのある部分は奥のほうに巻き込んでごまかすこと。
「絹物に―せず、薬種にまぎれ物せず」〈浮・永代蔵・四〉
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おく‐ぐち【奥口】
〘名〙
① 家の奥へ通じる
入り口。また、
屋敷などの奥。
奥向き。〔文明本節用集(室町中)〕
※
浄瑠璃・丹波与作待夜の
小室節(1707頃)上「時におく口ざざめいて、はや御立
(た)ちと、
姫君の
御輿(こし)舁
(か)きあげ」
② (━する)
下着の
袖口と奥とを縫い替えて、古びて色などが褪
(あ)せた所を、
内側にかくすこと。
※
浮世草子・好色二代男(1684)五「着
(きる)物はふとりを花色にして、幾度かせんだく。袖も奥口
(オクぐち)に縫直し」
③ (━する) 反物の巻き口に織り上がりの美しい部分を出し、織りのむらや
汚点のある部分を中に巻きこんで
人目をあざむくこと。
※浮世草子・
日本永代蔵(1688)四「
唐土(もろこし)人は律義に、云約束のたがはず、絹物に奥口
(ヲククチ)せず薬種にまぎれ物せず」
※
五輪書(1645頃)風の巻「極意秘事などといひて、奥口あれども、敵と打ち合ふ時の理におゐては、表に戦ひ、奥をもって切ると云ふ事にあらず」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報