好事魔多し(読み)コウジマオオシ

デジタル大辞泉 「好事魔多し」の意味・読み・例文・類語

好事こうじおお

《「琵琶記」幾言諫父から》よいことにはじゃまが入りやすい。
[補説]「好事、魔、多し」と区切る。

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精選版 日本国語大辞典 「好事魔多し」の意味・読み・例文・類語

こうじ【好事】 魔(ま)(おお)

  1. よいことにはとかく邪魔(じゃま)がはいりやすい。
    1. [初出の実例]「されども好事多(カウシマヲヲク)(〈注〉スンゼンシャクマ)往々(つねつね)これを求めて得がたし」(出典:通俗赤縄奇縁(1761)一)
    2. 「好事(カウジ)(マ)(オホ)し、離別は習ひなり、歎くは愚痴なるべし」(出典:春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉壱円紙幣の履歴ばなし)
    3. [その他の文献]〔琵琶記‐幾言諫父〕

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故事成語を知る辞典 「好事魔多し」の解説

好事魔多し

ものごとがうまく行きそうなときには、とかく邪魔が入るものだ、ということ。

[使用例] 好事魔多しですから、文子さんも、きまるまでは、お聞きにならないことになさっといて[川端康成千羽鶴|1949~51]

[由来] 中国に古くから伝わることわざから。たとえば、一三世紀ごろ、なんそう王朝の時代に都市で流行した芝居脚本を集めた「京本通俗小説」という書物には、「好事は更に多し、人をして如何いかんともせしむるし(よいことには邪魔が入るもの、人間にはどうにもなりません)」という句を含む詩が載せられています。「磨」は、当時の中国語で、困難や挫折を指すことば。日本では、これが「魔」に変化して、定着しています。

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ことわざを知る辞典 「好事魔多し」の解説

好事魔多し

物事がうまくいきそうなときには、とかく邪魔が入りやすいものだ。

[使用例] 好事魔多しですから、文子さんも、きまるまでは、お聞きにならないことになさっといて[川端康成*千羽鶴|1949~51]

[解説] よいことにはとかく邪魔が入って、とんでもないことが起こりがちである。中国元末の「琵琶記」に見えることばで、「魔」は「磨」の字が用いられ、困難や妨害がおこるの意で用いられていたようですが、日本では「魔」が当てられて、邪魔の意からさらに災難意味へと展開しました。

[類句] 好事魔を生ず

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