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琵琶記 びわきPi-pa-ji

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

琵琶記
びわき
Pi-pa-ji

中国の戯曲。元末明初の高明の作。 42幕。温州で『趙貞女蔡二郎』の名で流行していたものを改編したもので,都へ上り出世する蔡 邕 (さいよう) と,郷里で困窮しながら舅姑に孝養を尽す妻の趙五娘が主人公

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デジタル大辞泉の解説

びわき〔ビハキ〕【琵琶記】

中国、元代の戯曲。高明作。妻を捨てて上京した蔡邕(さいよう)は、科挙に首席で合格する。残された妻は琵琶を弾きながら夫を探して放浪を続け、ついに夫と再会する。北曲の「西廂記(せいそうき)」と並ぶ、南曲の代表作。

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百科事典マイペディアの解説

琵琶記【びわき】

中国,元末〜明初に成立した戯文。全42幕。高明〔1305-1380〕の作。《還魂記》とともに南曲の二大傑作。後漢の蔡【よう】(さいよう)の二人の妻,趙五娘(ちょうごじょう)の貞節と牛氏の婦徳が主題。
→関連項目四大奇書

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世界大百科事典 第2版の解説

びわき【琵琶記 Pí pa jì】

中国,元末・明初の長編戯曲。南方系の楽曲による戯文。作者高明は文人としても著名。後漢の蔡邕(さいよう)の出世と栄華な生活に,故郷に残された両親や妻の趙五娘の苦労を,対照させつつ筋を展開し,趙五娘の貞節を強調した作品。宋・元以来の戯文復興の祖に推される傑作で,宋・元の芝居では蔡邕が不孝不貞で,雷のために死ぬという天罰をこうむることになっていたが,高明は,夫婦の再会による団円の結末とした。【岩城 秀夫】

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大辞林 第三版の解説

びわき【琵琶記】

中国、元代の戯曲。四二幕。高明作。後漢の蔡邕さいようが科挙のため都に上り、残った妻は悲惨な境遇に陥ったが、琵琶を弾きつつ単身遠い都へ旅をし、夫と再会するという筋。南曲の最高傑作とされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

琵琶記
びわき

中国、元末の南曲。42齣(せき)(場)。高明(こうめい)(1305?―80?)作。蔡伯(さいはくかい)は父の命令で新婚の妻趙五娘(ちょうごじょう)と別れ上京し、会試に状元(じょうげん)で及第する。牛丞相(ぎゅうじょうしょう)の婿に選ばれ、固辞するが許されず、そのまま牛府で丞相の娘と新婚生活に入る。故郷では飢饉(ききん)が続き、五娘は糠(ぬか)で飢えをしのぎ、舅(しゅうと)と姑(しゅうとめ)に孝養を尽くすが2人とも死ぬ。五娘は髪を売って2人を埋葬し、その肖像をかいて背負い、琵琶を弾き物ごいをしながら夫を尋ねて上京する。いくつかの困難にあい、牛府にたどり着くと、新夫人牛氏の同情を得て夫と対面し、牛氏とともに夫人に認められ団円に終わる。
 蔡生と趙女の話は民間の語物に古くから扱われ、金の院本(いんぽん)には『蔡伯かい』の題名がみえ、元曲にも趙女が裳裾(もすそ)で土を運び舅や姑の墓をつくることが引かれている。早期の南曲『趙貞女蔡二郎』は、伯が都で官につき、尋ねてきた前妻を馬ではね、彼も雷に打たれて死ぬ。また『張協状元』は、命を救ってくれた貧女と結婚した張協が、出世後、彼女の卑しい身分を嫌い切りつけるが、再婚した相手は皮肉なことに前妻だった話で、身分の卑しい前妻に背き富貴にあこがれるという劇が少なくない。『琵琶記』はこうした温州(高明の故郷)に流行していた劇をもとにして、主人公は故郷の妻や両親を気にしつつ二重結婚の生活を送り、結末も一夫二妻の団円に改められた。民間芸能であった南曲に文人が筆を染めたのは『琵琶記』に始まるといわれ、故郷の窮状と牛府の豪奢(ごうしゃ)な生活を交互に演出し、五娘のけなげな生き方と伯の苦悩を対照的に描く構成は、素朴で真実味あふれる歌詞とともに高い評価を受け、明清(みんしん)を通して伝奇(長編戯曲)の手本とされた。戯曲史上重要な作品である。現存テキストは十数種に上るが、『元本琵琶記校注』(銭南揚注、1980・上海(シャンハイ)古籍出版)が便利である。[平松圭子]
『浜一衛訳『琵琶記』(『中国古典文学全集33』所収・1969・平凡社) ▽『青木正児全集3 支那近世戯曲史』(1962・春秋社)』

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世界大百科事典内の琵琶記の言及

【戯文】より

…その契機を作ったのは,元末・明初の文人高明である。高明は至正年間(1341‐68)の進士であり,詩人としても知られていたが,後漢の蔡邕(さいよう)を主人公とする《琵琶記》を書いた。これが傑作として世間に喧伝されたことから,戯曲に対する従来の価値観に変化をきたすことになった。…

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