如何な(読み)いかな

精選版 日本国語大辞典 「如何な」の意味・読み・例文・類語

いか‐な【如何な】

(「いかなる」の変化した語)
[1] 〘連体〙 (多く後に「でも」「ても」の意味の語を伴う) どのような。どんな。また、ある場合に限って、たとえ(…でも)。どんなに(…でも)。
※応永本論語抄(1420)雍也第六「いかな聖人にあへども、能なることなし」
※虎明本狂言・朝比奈(室町末‐近世初)「いかなあさいな成共」
[2] 〘副〙 (後に否定の意味の表現を伴って用いる) どうしても。何としても。いっかな。
※虎寛本狂言・八幡の前(室町末‐近世初)「いかな、其様なむつかしい事が一年や二年習ふた分で覚へらるる事では御ざらぬ」
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)八「きた八いかなやるまいとせりあふを」

いっか‐な【如何な】

(「いかな」の強調形)
[1] 〘連体〙 (あとに「でも」「ても」の意味の語を伴うことが多い) どのような。どんな。
浄瑠璃傾城八花形(1703)一「これはいっかな王様もどちらにせふとお心の迷ひ給ふは道理ぢゃ」
[2] 〘副〙 (あとに否定の表現を伴って) どのようにしても。どうしても。
※浄瑠璃・百日曾我(1700頃)二「さなくはいっかな、跡へも先へも遣らぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「如何な」の意味・読み・例文・類語

いか‐な【如何な】

《「いかなる」の音変化》
[連体]
どんな。どのような。「如何な名人でも簡単にはできまい」
さすがの。
「―先生も年には勝てない」〈藤村夜明け前
[副](あとに打消しの語を伴って)どうしても。いっかな。
「中の節がつかえて…、―上へはゆるぎもせぬ」〈紅葉多情多恨
[類語]1どういうどんなどのようどういかがいかにいかよういかなるいかん

いっか‐な【如何な】

《「いかな」の促音添加》
[副](あとに打消しの語を伴って)どうしても。どのようなことをしても。何としても。
子供は―手を離さなかった」〈里見弴多情仏心
[連体]どのような。どんな。
「さなくは後へも先へも―事やらぬといふ」〈浄・団扇曽我〉
[類語]どんなどのようどうどういう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android