宇田川榕庵(読み)ウダガワヨウアン

デジタル大辞泉 「宇田川榕庵」の意味・読み・例文・類語

うだがわ‐ようあん〔うだがは‐〕【宇田川榕庵】

[1798~1846]江戸後期の蘭学者日本化学開拓者。江戸の人。本名、江沢榕。蘭学者の江沢養樹の子。榛斎の養子馬場佐十郎らに蘭学を学び、化学・植物学薬学通じた。著「舎密開宗セイミかいそう」「植学啓原」「西説菩多尼訶経ボタニカきょう」など。

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精選版 日本国語大辞典 「宇田川榕庵」の意味・読み・例文・類語

うだがわ‐ようあん【宇田川榕庵】

  1. 江戸後期の蘭医、蘭学者。江戸の人。本姓江沢。玄真の養子。馬場穀里に蘭学を学び、化学、植物学、医学などに通じた。主著菩多尼訶経(ぼたにかきょう)」「植学啓源」「舎密開宗(セイミかいそう)」。寛政一〇~弘化三年(一七九八‐一八四六

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宇田川榕庵」の意味・わかりやすい解説

宇田川榕庵
うだがわようあん

[生]寛政10(1798).江戸
[没]弘化3(1846).6.22. 江戸
江戸時代後期の蘭学者。本姓は江沢。宇田川榛斎の養子。蘭学を馬場佐十郎に学ぶ。養父の『和蘭薬鏡』『遠西医方名物考』の編集,校訂を行い,自身では文政2 (1822) 年に『西説菩多尼訶経』,天保4 (33) 年に『植学啓原』を著わして日本の近代植物学の開祖となり,C.リンネの分類を紹介した。また同8年から2年かけて『舎密開宗』 (21巻) を出版。これは W.ヘンリーの"Elements of Experimental Chemistry" (実験化学初歩) の蘭訳本を翻訳した日本最初の本格的な化学書。動物については『動学啓原』を著わし,リンネの動物分類表を載せているが,未刊である。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「宇田川榕庵」の解説

宇田川榕庵
うだがわようあん

1798.3.9/16~1846.6.22

江戸後期の蘭学者・津山藩医。名は榕(よう),号は榕庵。大垣藩医の家に生まれ,宇田川玄真(榛斎(しんさい))の養嗣子となる。オランダ語を馬場佐十郎らに学び,蛮書和解御用訳員として「厚生新編」の翻訳に参加するなど,若年から医・理関係書の訳述・研究に従事。植物学から化学分野へ進み,日本での開拓者となる。「菩多尼訶(ぼたにか)経」「遠西医方名物考補遺」(玄真訳・榕庵校補),「植学啓原」「舎密(せいみ)開宗」など各方面での本格的著作をなした。江戸でシーボルトに会い,実験化学の面での直接的影響をうけたと考えられる。

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百科事典マイペディア 「宇田川榕庵」の意味・わかりやすい解説

宇田川榕庵【うだがわようあん】

江戸時代の洋学者。大垣藩医江沢養樹の子。名は榕。宇田川榛斎(しんさい)の養子となり,美作(みまさか)津山藩の侍医。蘭学に通じ,《菩多尼訶経(ぼたにかきょう)》《植学啓原》で科学的植物学を説いた。蘭書に基づいて著した《舎密開宗(せいみかいそう)》(1837年―1847年)は日本最初の化学書。
→関連項目大垣藩ヘンリー

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宇田川榕庵」の解説

宇田川榕庵 うだがわ-ようあん

1798-1846 江戸時代後期の医師,蘭学者。
寛政10年3月9/16日生まれ。宇田川玄真の養子。美作(みまさか)(岡山県)津山藩医。馬場佐十郎らにオランダ語をまなぶ。文政9年幕府天文方の蕃書和解(ばんしょわげ)御用訳員となる。日本最初の西洋植物学書「菩多尼訶(ボタニカ)経」,リンネの分類法を紹介した「植学啓原」,日本最初の体系的化学書「舎密開宗(セイミかいそう)」などをあらわした。弘化(こうか)3年6月22日死去。49歳。江戸出身。本姓は江沢。名は榕。

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旺文社日本史事典 三訂版 「宇田川榕庵」の解説

宇田川榕庵
うだがわようあん

1798〜1846
江戸後期の蘭学者・津山藩医
江戸の人。美濃(岐阜県)大垣藩医の子で,宇田川玄真の養子。1826年幕府天文方の蕃書和解御用掛となり,『厚生新編』を翻訳。また『植学啓原』を著し西洋植物学を紹介した。ほかに『菩多尼訶経 (ぼたにかきよう) 』『舎密開宗 (せいみかいそう) 』なども有名。

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367日誕生日大事典 「宇田川榕庵」の解説

宇田川榕庵 (うだがわようあん)

生年月日:1798年3月9日
江戸時代後期の蘭学医
1846年没

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