精選版 日本国語大辞典 「厚生新編」の意味・読み・例文・類語
こうせいしんぺん【厚生新編】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
わが国でオランダ語から初めて翻訳された百科事典。原書は、フランス、リヨンのサン・バンサン教区長であったショメルM. Noël Chomel(1632―1712)が、1709年に著した『日用百科事典』Agronome français dictionnaire économique 2巻を、オランダのデ・シャルモJ. A. de Chalmot(1730―1801)が増補改訂して8冊とした蘭書(らんしょ)(1718年再版)『Huischou delijk woordenboek』を、幕府が1810年(文化7)に購入したものであった。この書の官撰(かんせん)翻訳の開始には2説あり、大槻(おおつき)玄幹が、馬場佐十郎(貞由)の江戸引き留め策としてこの書の訳を命ずるよう、奥医師土生玄磧(はぶげんせき)を通じて進言したとも、また、蘭学者らが奥医師渋江長伯を通じて進言した(新村出(しんむらいずる)説)ともいわれている。翌1811年3月、天文方高橋景保(かげやす)が馬場佐十郎をこの翻訳にあたらせ、仙台藩の医員大槻玄沢も加わったが、2年後に馬場が松前に派遣され、玄沢は27年(文政10)に死亡、景保は29年シーボルト事件に連座して没するなど、この事業は種々の事件によって翻訳者が移り変わった。結局、馬場、大槻のほか宇田川玄真・玄幹・榕菴(ようあん)、さらに小関三英(こせきさんえい)、湊(みなと)長安ら当時の代表的な蘭学者が携わったが、1846年(弘化3)榕菴の死で中絶した。
内容は、植物152項、医学83項、動物39項、鉱物36項のほか、天文、産業技芸、人体など理科、技術である。翻訳にあたっては、事物を見たことがないため、それを取り寄せたり、問い合わせたり、苦心を重ねたという。しかしその結果、語学の進歩と知識を広めるのに役だち、幕府に蕃書調所(ばんしょしらべしょ)を天文方から独立(1856)させるに至った。江戸時代最大の翻訳事業であり、日本の科学史の最初を飾る貴重な文献といわれる。この訳本は不明であったが、昭和初年静岡県立中央図書館葵(あおい)文庫の蔵書のなかにあることが、同館長貞松修蔵によって確認された。全70巻中、第31と第32の2巻を欠いている。1937年(昭和12)同氏によって複製された。
[彌吉光長]
『大槻玄沢・宇田川榕菴他監訳『厚生新編』5巻・別巻1(1978・恒和出版)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
他の人にすすめること。また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物。「推しの主演ドラマ」[補説]アイドルグループの中で最も応援しているメンバーを意味する語「推しメン」が流行したことから、多く、アイ...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新