定廻り(読み)ジョウマワリ

デジタル大辞泉 「定廻り」の意味・読み・例文・類語

じょう‐まわり〔ヂヤウまはり〕【定×廻り】

江戸時代町奉行配下同心で、江戸市中を巡回した者。定町廻り。

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精選版 日本国語大辞典 「定廻り」の意味・読み・例文・類語

じょう‐まわりヂャウまはり【定廻】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸幕府職名の一つ。書院番・小姓番など御番衆に属する武士うち、定期的に江戸市中を巡邏(じゅんら)し取り締まりに任じたもの。武家地・町地の区別なく巡察し、怪しいものを逮捕し、武家地の場合は辻番へ、町地の場合は自身番へ預け、頭に報告した。臨時に巡邏した仮廻りに対する語。
    1. [初出の実例]「町奉行え 組々御番衆之内定廻并仮廻之面々、只今まて無懈怠相廻候事に候得共」(出典:御触書天明集成‐二四・天明六年(1786)六月)
  3. じょうまちまわり(定町廻)
    1. [初出の実例]「一、捕ものの儀は、定廻、臨時廻の内へ申付」(出典:日本財政経済史料‐四・官制・地方職制・町奉行職制(江戸))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「定廻り」の意味・わかりやすい解説

定廻り
じょうまわり

江戸の町奉行所(ぶぎょうしょ)配下の定町廻り同心を省略しての呼び名。同じく江戸市中を巡回して警備犯人の探索逮捕を行う臨時廻り、隠密廻りとともに「三廻り」と総称された捕り物花形でもある。通常江戸を4コースに分け、中間(ちゅうげん)1人と2、3人の岡引(おかっぴ)きを引き連れて歩く。髷(まげ)を小銀杏(こいちょう)に結い、竜紋裏の黒羽織を着流して、腰に大小と朱房(しゅぶさ)の十手を挟む。途中各所の自身番に立ち寄り、事件および懸案事項の有無を尋ね、必要とあれば犯人逮捕に向かった。江戸では6名で組織し、南北奉行所あわせて12人、大坂奉行所では8人で勤めた。

稲垣史生

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