宝塚温泉(読み)たからづかおんせん

日本歴史地名大系 「宝塚温泉」の解説

宝塚温泉
たからづかおんせん

[現在地名]宝塚市湯本町栄町

武庫むこ川両岸にある温泉。泉源は二ヵ所。泉質は含炭酸含鉄含弱放射能ナトリウム塩化物強塩温泉、泉温摂氏三八度。関節・筋肉リウマチ、皮膚炎などに効き目があるという。前史は古く、藤原光経の和歌(藤原光経集)の詞書に「貞応二年十月廿六日、津の国のをはやしといふ所にゆあみむとて」逗留し、馴れ遊んだ遊女小屋こや(現伊丹市)で別れる際に詠んだ歌がある。塩尾寺観音縁起(小佐治家文書)足利義晴の頃に冷泉が発見されたとし、小林おばやし湯・塩尾えんぺい湯・川面かわも湯とよばれたが、戦乱で衰微したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宝塚温泉」の意味・わかりやすい解説

宝塚温泉
たからづかおんせん

兵庫県宝塚市,武庫川沿岸にある温泉。放射能泉,食塩泉で,泉温は 16~30℃。冷泉だが湯量は豊富。旧温泉と新温泉から成る。旧温泉の歴史は古く,古書に「小林 (おばやし) 温泉」の名で記載されており,1886年に宝塚温泉として開発された。新温泉は 1910年,現阪急電鉄が開発。京阪神に近く,併設の宝塚劇場遊園地,動植物園などがあり,利用者が多い。

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