家内労働条約(読み)かないろうどうじょうやく

百科事典マイペディア 「家内労働条約」の意味・わかりやすい解説

家内労働条約【かないろうどうじょうやく】

ILOで1996年採択された国際労働基準条約の一つ。英語の〈Home Work Convention〉を〈在宅形態の労働に関する条約〉とも訳す。パーソナルコンピューターを使った在宅勤務形態の増加傾向などに対応するため,サービス業を含む家内労働内職における労使間の基本的ルールを設定。家内労働者の立場は通常の職場で働く賃金労働者と同じであるという前提に立って,団結権・団体交渉権,安全衛生,母性保護,報酬,労働時間,社会保障,職業訓練,就労最低年齢制限などにおいて,賃金労働者とできるだけ平等の待遇を保障するように加盟諸国政府に要請している。日本でも,条約批准のための家内労働法改正が日程にのぼってきている。→家内労働
→関連項目労働基準法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「家内労働条約」の意味・わかりやすい解説

家内労働条約
かないろうどうじょうやく
treaty on domestic work

家内労働者の待遇を賃金労働者と同等に引上げることを目的とする条約で,1996年6月,国際労働機関 (ILO) の総会で採択された (177号) 。コンピュータ関連の在宅勤務者 (テレワーカー) が世界的に急増し,しかも多くの国で,従来の家内労働法の対象外とされている現状が反映された。日本では衣料品縫製などを中心に約 58万人の家内労働者がおり,家内労働法で保護されているが,在宅勤務者はその対象からはずされており,日本のみならず批准に消極的な国が多い。

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