精選版 日本国語大辞典 「家礼」の意味・読み・例文・類語
け‐らい【家礼・家来・家頼】
- 〘 名詞 〙 ( 「け」「らい」はそれぞれ「家」「礼」の呉音 )
- [ 一 ] ( 家礼 ) 親や家の長上、主人などを敬い礼をつくすこと。転じて、他人に礼を表すること。
- [初出の実例]「文籍(ぶんせき)にも家礼といふことあるべくや」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)
- [ 二 ]
- ① 朝廷の公事(くじ)、故事などを習うために、摂政家などに出入りする者。
- [初出の実例]「内大臣いげ家礼の人おほくありけるをも」(出典:愚管抄(1220)四)
- 「公家家礼(ケライ)の人々には、為秀・行忠・実綱卿・為邦朝臣なんど庭土に下りて礼あり」(出典:太平記(14C後)四〇)
- ② 封建制度下の武士社会で、主君につかえること、また、その者。家臣。
- [初出の実例]「於二源氏人々一者、家礼猶可レ被二怖畏一、矧亦如レ抑二留下国一事、頗似レ服二仕家人一」(出典:吾妻鏡‐治承四年(1180)一〇月一九日)
- ③ 江戸時代、庄屋、地主の従者、小作人、家抱(けほう)、また商家での雇人などの称。
- ④ ( 転じて、一般に ) 服従する者。従者。手下。
- [初出の実例]「其家にお兄いさんといふのがゐて、余程お人好と見えて、お麗さんに家来のやうに使はれてゐる」(出典:ヰタ・セクスアリス(1909)〈森鴎外〉)
- ① 朝廷の公事(くじ)、故事などを習うために、摂政家などに出入りする者。