富加町(読み)とみかちよう

日本歴史地名大系 「富加町」の解説

富加町
とみかちよう

面積:一五・九七平方キロ

加茂郡西部にあり、北部山地南部は丘陵地で、平均標高は七〇メートル以上。東と南は美濃加茂市、西と北は関市に接する。町の中ほどを川浦かわうら川が東西に、西端を津保つぼ川が北から南に流れ、南西部で合流する。

大宝二年(七〇二)の御野国加毛郡半布里戸籍(正倉院文書)半布はにゆう里は当町に比定され、羽生はにゆう地名はその名残である。半布里の戸数は中下戸一・下上戸二・下中戸九・下下戸四二となっている。また人数は正丁・正女四一四、六六歳以上の老人三二、二〇歳以下六一三、そのほか奴婢二七となっている。一戸の最大は県造吉事戸の四四人、最小は八人。一戸の平均は約二一人である。これらの戸の特徴は加茂の県主につながる県主集団(県造・県主・県主族)が三八六人を数え、牟宜都君とも関係していた。また渡来人集団は秦人・秦人部・勝など四九七人を数えた。そのなかで秦氏は四五三人で最大であり、不破勝族・各牟勝族を名乗るものもあった。正丁のなかに帯位者(務従七位上―追従正八位上)は三人いた。昭和五二年(一九七七)から発掘が始まった東山浦ひがしやまうら遺跡は半布里に比定され、七世紀中葉から八世紀後半までのものと推定された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「富加町」の意味・わかりやすい解説

富加〔町〕
とみか

岐阜県南部,関市と美濃加茂市に囲まれる町。 1954年富田村と加冶田村が合体して,74年町制。農業が主産業で,養鶏養豚も行われる。周辺都市部への通勤者が多い。長良川鉄道,国道 418号線が通じる。面積 16.82km2人口 5626(2020)。

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