精選版 日本国語大辞典 「射精」の意味・読み・例文・類語
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精液が射出されることをいう。男性性器に加えられた刺激により射精中枢はしだいに興奮し、その刺激は反射的に精管に伝えられ、精巣上体(副睾丸(ふくこうがん))尾部に停滞している精子は精管の蠕動(ぜんどう)運動により精管膨大部へと運ばれる。中枢興奮が最高に達すると(オルガスムス)、前立腺(せん)液、精管膨大部内の液、精嚢(せいのう)液などが前立腺部尿道に排出される。精液が前立腺部尿道に送り出されると内尿道口は通常閉じ、精液の膀胱(ぼうこう)内への逆流を防ぐと同時に球部尿道は普通の2~3倍に膨張する。ついで外尿道括約筋が弛緩(しかん)して精液は膨張した球部尿道と海綿体部尿道に入る。この精液は、球海綿体筋や坐骨(ざこつ)海綿体筋などの会陰(えいん)筋および尿道括約筋などの律動的収縮により外尿道口より射出される。これら一連の射精の過程は下腹神経、骨盤神経、陰部神経によりコントロールされている。内尿道口の閉鎖機能が障害されると、精液は膀胱内へ逆流(逆行性射精)して無精液症となり、不妊の原因になる。
[白井將文]
動物の場合も、雄が精液を排出することを射精という。哺乳(ほにゅう)類では、脊髄(せきずい)下部に射精中枢があって、勃起(ぼっき)したペニスからの感覚刺激の加重によって興奮し、反射的に射精がおこるが、その仕組みは生殖輸管壁の平滑筋における次のような一連の律動的収縮による。まず、副睾丸管壁の収縮が始まり、輸精管壁、尿道へと進行する。尿道では前立腺、貯精嚢、尿道腺からの分泌物と混合し、ここから会陰筋、尿道括約筋などの律動的収縮により体外へ排出される。射精に要する時間は、ヒツジ、ヤギ、ウシのように短いものと、イヌのように長いものがあるが、その時間的経過を追って精液の成分を分けることができ、長い種ではとくに分けやすい。精液の量も種によって異なり、ブタのように250ミリリットルにも達するものもあるが、イヌでは12ミリリットル、ウサギやネズミなどでは1ミリリットル以下である。
鳥類でも、ニワトリなどでは人工授精の際に精液を採取することがあり、0.1~0.9ミリリットルぐらいの精液の射出がみられる。陸生無脊椎(むせきつい)動物のなかにも、雄が雌の腟(ちつ)内に陰茎を挿入して、雌の体内に精液を直接送り込む種類があり、その際には当然射精がおこるが、その詳しい機序についてはまだ十分にわかっていない。
[新井康允]
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…精管は鼠径管を通って骨盤内に入り,腹膜下の結合組織内を下って膀胱の後下方に達する。このあたりで精管は太くなって精管膨大部とよばれるが,ついで前立腺内に進入し,その中で細い射精管となって,前立腺を貫く尿道に左右別々に開く。また膀胱の後下面,前立腺のすぐ後上方には細長い紡錘形の精囊が1対あり,射精管に開口する。…
… 性交も含め,男女の性の行為が〈性行為sexual act〉であり,さらに拡大して性に関する行動を総称したものが〈性行動sexual behavior〉である。 性行為は一般にキス(接吻)や互いの愛撫刺激(いわゆるペッティング)などで始まり,これらの前戯で互いの性的興奮を高めあったのち,性交に移り,性交運動により性的快感を高めあい,興奮が極大に達するとオーガスム期を迎え,このとき男では射精が起こる。 このような性行為において,男女がどのような生理的反応を起こすかについては,アメリカのW.マスターズとV.ジョンソンによって詳しく調査された(1954)。…
※「射精」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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