精管(読み)セイカン

デジタル大辞泉 「精管」の意味・読み・例文・類語

せい‐かん〔‐クワン〕【精管】

男性生殖器で、精巣から精子精嚢せいのうに輸送し、尿道に開口する管。輸精管
[類語]精巣精嚢せいのう陰茎男性生殖器

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精選版 日本国語大辞典 「精管」の意味・読み・例文・類語

せい‐かん‥クヮン【精管】

  1. 〘 名詞 〙 男子生殖器の一部睾丸(こうがん)で作られた精子を輸送する管。睾上体副睾丸)からのびる左右一本ずつの精管が、膀胱(ぼうこう)の後下方に達して互いに近づき、精嚢(せいのう)の管と合流して射精管となるまでの部分をいう。輸精管。
    1. [初出の実例]「精管(セイクヮン)より漸く卵帯に至て、総管に入り」(出典:造化妙々奇談(1879‐80)〈宮崎柳条〉第二編)

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百科事典マイペディア 「精管」の意味・わかりやすい解説

精管【せいかん】

輸精管ともいう。男性生殖器の一部で,精巣でつくられた精液を運ぶ管。精巣に続く精巣上体に続いて始まる左右1対,約30cmの管で,鼠径(そけい)管を通って腹腔に入り,骨盤壁に沿って大きく回り,膀胱(ぼうこう)の後下部に達する。この付近で精管は太くなって膨大部をつくる。膨大部がまた細くなった所で精嚢からの管と合して射精管に連なる。→生殖器官
→関連項目精索副睾丸

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「精管」の意味・わかりやすい解説

精管
せいかん
vas deferens

精巣上皮 (副睾丸) に始り射精管に終る長さ 35~45cm,直径2~3mmの精液の通路。陰嚢内から鼠径管までは,睾丸を養う血管などとともに精索を形成している。精管の末端で精嚢腺が合流し,この部分は粘管がふくらんで膨大部を形成している。ここから先は射精管につながり,内径は一段と細くなって,後部尿道に開口している。精巣でつくられた精子は精巣上体を通過する間に成熟し,精管の起始部や精嚢腺内に貯留されて射精まで待機する。射精の際,精管および射精管は強力なぜん動運動によって精子を一気に送り出し,後部尿道に排出させる。

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世界大百科事典(旧版)内の精管の言及

【性器】より

… ヒトの性器は性腺(生殖腺)を中心に,これに付属ないし関連する諸器官からなる。すなわち男性では睾丸(精巣)で作られた精子が副睾丸(精巣上体)から精管を経て尿道に運ばれるが,付属腺として精囊や前立腺などがあり,交接器として陰茎がある。女性では卵巣とそこで作られた卵子を運ぶ卵管と,受精卵を育てる子宮,交接器としての腟などがおもな性器である。…

※「精管」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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