小曲村(読み)おまがりむら

日本歴史地名大系 「小曲村」の解説

小曲村
おまがりむら

[現在地名]甲府市小曲町

下今井しもいまい村の南にあり、北東落合おちあい村。東より南へ笛吹川・にごり川が流れる。西は巨摩郡西下条にししもじよう村。笛吹川・濁川あら川の合流点北東に位置し、蛭沢ひるさわ川など小河川が集中する低湿地帯。村名は南西の村境が川に沿って長く曲がっていることに由来するとされ(甲斐国志)、尾曲とも記す。至徳四年(一三八七)成立の「塩山抜隊和尚語録」に「甲州小曲安養寺僧堂」の聖僧が千体地蔵を安置し、点眼を行ったことがみえる。安養寺は文化(一八〇四―一八)初年の段階ですでに廃絶していた(甲斐国志)。「一蓮寺過去帳」には文明元年(一四六九)頃と思われる力阿弥陀仏に小曲、見阿弥陀仏に小曲弥次郎の注記があるほか、同六年閏五月一六日供養の清阿弥陀仏に小曲、文亀元年(一五〇一)三月二七日の合戦で討死したとみられる与阿弥陀仏に小曲美濃の注記がある。「甲斐国志」には小笠原長清の庶子に小曲五郎長家があると記すが、「尊卑分脈」などにはみえず、おそらく小田五郎と称した清家の誤りであろう。


小曲村
こまがりむら

[現在地名]五所川原市小曲

岩木川下流左岸に位置し、東は岩木川を境に柏原かしわばら村、西は稲盛いせ(現西津軽郡柏村)、南は鷺坂さぎさか(現柏村)に接する。

享保一六年(一七三一)検地帳に田方四〇町三反一三歩・畑方一〇町四反二畝八歩、田畑屋敷合せて五〇町七反二畝二一歩、村高三一二・五五八石とある。「平山日記」によれば、当村は同一二年に広須新田の川通三二ヵ村のうちの一村に数えられ、村位は下で年貢は六ツ成であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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