小笠山(読み)おがさやま

日本歴史地名大系 「小笠山」の解説

小笠山
おがさやま

掛川市袋井市大須賀おおすか町・大東町の境界にある。標高二六四・四メートル。徳川家康が砦を設け、天正五年(一五七七)一〇月、松平家忠は小笠に一日替の在番をしている(家忠日記)。同六年一一月、徳川家康横須賀よこすか(現大須賀町)から小笠へ移動した(同書同月四日条)。同八年一二月、武田方の高天神たかてんじん城の近くに砦を造っていた徳川軍は織田信長からの使者を迎えるため小笠へ赴いた(同書同月二〇日条)。小笠山は横須賀城・高天神城いずれからも北方にあたり、東海道へ向かう通路にあたったと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小笠山」の意味・わかりやすい解説

小笠山
おがさやま

静岡県南西部,掛川市袋井市にまたがる山。標高 264m。ほぼ南西に傾斜し,礫層からなる洪積台地で広い裾野をもつ。近年小笠山総合開発の一環として,チャ (茶) ,ミカン園の造成拡充酪農などの新規事業が促進された。また,北西斜面に大規模な小笠山総合運動公園が建設された。台地周辺には,戦国時代,徳川氏,武田氏攻防戦の拠点となった横須賀城跡高天神城跡 (ともに国指定史跡) があり,西麓には遠州三山の一つ,厄よけで有名な古刹の法多山尊永寺がある。

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