小菊(読み)コギク

デジタル大辞泉 「小菊」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぎく【小菊】

観賞用に栽培される花の小さい菊。 秋》
薄手で小判和紙懐紙としてのほか茶の湯釜敷かましき鼻紙などに利用される。

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精選版 日本国語大辞典 「小菊」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぎく【小菊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 菊花の小さいもの。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「はながみに香をおり入る小菊哉〈俊安〉」(出典:俳諧・鷹筑波(1638)四)
  3. (こうぞ)製の小判の和紙。はながみ、または茶の湯の釜敷などに用いる。美濃国(岐阜県)で古くから製している。小折。小美濃
    1. [初出の実例]「小菊一束、下部に遣」(出典:時慶卿記‐慶長一八年(1613)正月二日)
  4. 江戸時代、遊里で紙花(かみばな)といって祝儀代用とした懐紙。小菊一枚が一歩、一〇枚が二両二歩、一帖四八枚が一二両の祝儀として通用した。
    1. [初出の実例]「山吹は現金小菊掛けに成り」(出典:雑俳・柳多留‐二七(1798))
  5. 文様の一つ。小さな菊を散らしたもので、武具や小紋染などに多い。

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百科事典マイペディア 「小菊」の意味・わかりやすい解説

小菊【こぎく】

江戸時代コウゾ原料として作った薄い手すき和紙。男子用の高級懐紙茶道の釜敷(かましき)用にも供した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小菊」の意味・わかりやすい解説

小菊
こぎく

コウゾ(楮)を原料とした薄手の和紙。懐紙(かいし)として広く用いられ、江戸時代には上等品は茶の湯の釜敷(かましき)などに、また下等品はもっぱら鼻紙に利用された。菊と略称されることもある。吉原などの遊里では、紙纏頭(かみばな)として当座の祝儀にもされた。美濃(みの)(岐阜県)産の小(こ)美濃または小折り、加賀(石川県)産の加賀小菊、出雲(いずも)(島根県)産の出雲小菊などがある。

[町田誠之]

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