小面(読み)コオモテ

デジタル大辞泉 「小面」の意味・読み・例文・類語

こ‐おもて【小面】

能面の一。あどけなさを残した、かれんな若い女の面。女面代表的なもので、「井筒」「熊野ゆや」など三番目物に多く用いる。

こ‐づら【小面】

顔つきを卑しめていう語。多く、「こづらがにくい」「こづらにくい」の形で用いる。→小面憎い
煉瓦れんが石材などの、六面体の面のうち最小の面。

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精選版 日本国語大辞典 「小面」の意味・読み・例文・類語

こ‐おもて【小面】

  1. 〘 名詞 〙 能面の一つ。女面の代表。処女童女とが融合した可憐な美しい面。「井筒」「熊野」など三番目物に多く用いる。
    1. 小面
      小面
    2. [初出の実例]「笑尉のくづし、金春小面と同じ作、同木にて打たる面也」(出典:わらんべ草(1660)四)

こ‐づら【小面】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「こ」は接頭語 ) 顔をいやしめていう語。主に「小面が憎い」または「小面憎い」などと用いる。
    1. [初出の実例]「年は二十二で、小面(コヅラ)ののっぺりした野郎で」(出典半七捕物帳(1923)〈岡本綺堂向島の寮)
  3. 石や煉瓦(れんが)などの多面体の面のうちで、最も小さい面。

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世界大百科事典(旧版)内の小面の言及

【能面】より

…喝食(かつしき),童子など美貌若年の面のなかにも,蟬丸や弱法師(よろぼし),猩々(しようじよう)といった特定面ができてくる。(4)は最も能面らしい表現のものといわれ,若い女面として小面(こおもて),増(ぞう),孫次郎,若女の4タイプがあり,それぞれ現在は流派によって使用を異にしている。やや老け役の面として曲見(しやくみ)と深井があり,これに霊性をもたせたものが泥眼(でいがん),増(十寸)髪(ますかみ),年たけた霊性のものとして霊女(れいのおんな),瘦女(やせおんな),老女,姥(うば)などがある。…

※「小面」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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