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尹文子 いんぶんし Yin-wen-zi

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

尹文子
いんぶんし
Yin-wen-zi

中国の思想書。戦国時代の斉の学者尹文 (前4世紀) の著と伝えられる。1巻。人君は名分を正し,外物にわずらわされず,戦争反対と寡欲とを旨とし,衆人の意見をいれるべきであると説く。道家,墨家,名家の思想が混在する。

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世界大百科事典 第2版の解説

いんぶんし【尹文子 Yǐn wén zǐ】

中国,斉の宣王時代(前4世紀末)の稷下(しよくか)の学士尹文の著。《漢書》芸文志は名家に分類する。現行本は後世の偽書。《荘子》天下篇などによれば,その学説は概念規定の明確化を出発点とし,外に対しては無抵抗主義と反戦主義とを標榜し,内に対しては精神の虚静と寡欲とを課し,それによって世界全体の調和と社会の安寧とを実現しようとするもので,墨家および道家の学説と密接に関連する。稷門【麦谷 邦夫

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

尹文子
いんぶんし

中国、戦国時代中期、斉(せい)の都、臨(りんし)におこった「稷下(しょくか)の学」の学士の一人。または尹文が著した書。班固(はんこ)『漢書(かんじょ)』芸文志(げいもんし)の名家(めいか)の項に、『尹文子』1編が記録されているが、現存しない。現行本『尹文子』2巻は、魏晋(ぎしん)のころの偽作。『荘子(そうじ)』天下編の記述によれば、尹文は宋(そうけい)とともに、道家(どうか)的な立場から、禁攻寝兵すなわち停戦和平の論を唱えたようである。後世、尹文が名家に列せられるのは、彼が道家風の正名説を主張したことによるものと思われる。郭沫若(かくまつじゃく)は、『管子(かんし)』中の心術上・下編、白心編、内業編をもって宋・尹文学派の文献とする画期的見解を提出した。この見解に従うなら、尹文子の遺説は白心編に伝えられていることになる。[伊東倫厚]

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