(読み)テン

デジタル大辞泉 「展」の意味・読み・例文・類語

てん【展】[漢字項目]

[音]テン(呉)(漢) [訓]のべる
学習漢字]6年
平らに広げ並べる。「展開展観展示展覧
どこまでも伸び広がる。「進展伸展発展
隅から隅まで見る。「展墓展望
巻いたものを開く。「親展
ころがる。「展転
展覧会」の略。「個展日展
[名のり]のぶ・ひろ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「展」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] テン
[字訓] のべる・ひろげる

[説文解字]

[字形] 会意
尸(し)+衣+(てん)。屍衣の襟もとに、呪具のを加えて塡塞し、屍体に邪霊の憑(つ)くのを防ぐ意で、もと塡塞を意味した字であろう。塞の初形もに従う字である。また禳(はら)う意の襄(じよう)も、その初形はに従い、さらに祝告の器((さい))二器を列ねる形で、展・塞・襄は字の構成に通じるところがある。〔説文〕八上に「轉ずるなり」と展転の意とするが、屍体を改めるための展屍の意。手足を伸ばした形で葬ることを伸展葬という。〔説文〕八上に別に(てん)字を出して「丹(たんこく)(あかいちりめん)の衣なり」とするが、展と同字。呪禁に用いるもの。丹の義は(てん)がその本字であろう。

[訓義]
1. 死者の襟もとに塡塞する、呪器をつらねる。
2. のべる、ひろげる、ひらく。
3. しらべる、しらべみる。
4. すすむ、かなう、ただしい。
5. (せん)と通じ、まこと。
6. 亶(たん)と通じ、まこと、あつい、おもい、おもんずる。

[古辞書の訓]
名義抄〕展 ノブ・ウヤマフ・ヒラク・トトノフ・マコト・メグル・タマキ・ツバヒラカニ・ヒロク/展季 アメス 〔字鏡集〕展 メグル・ヒロク・ココロミ・タマキ・ツバビラカニ・イヨイヨ・メグラス・トトノフ・コホロク・トトロク・ツラヌ・ミル・ウヤマフ・オモンズ・マコト・チヒサキモノ・アラハナリ・ヒトヘキヌ・ホシイママ・シケシ・ユルシ・ハタ・カタヌグ

[語系]
展tian、tyanは声義近く、は巫のもつ呪具の工を集めた形。それを衣中に塡塞するを展という。塡dyen、鎭(鎮)tjinは枉死者を塡塞して祀り、その呪霊を鎮める意の字で、みな死霊に対する行為を意味する字である。

[熟語]
展謁展閲・展開・展楽・展観・展巻展玩展驥・展期・展敬・展慶・展限展采・展財・展志展翅・展示・展事展謝展縮展叙展舒・展笑・展親・展成展牲・展省・展足・展脱・展転・展読展拝・展抜・展眉・展布・展・展墓・展歩・展望展奉・展放・展翼・展覧・展力・展礼・展
[下接語]
開展・施展・舒展・伸展・進展・親展・宣展・発展・披展敷展

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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