岡崎えん(読み)オカザキ エン

20世紀日本人名事典 「岡崎えん」の解説

岡崎 えん
オカザキ エン

昭和期の女将,俳人



生年
明治26(1893)年7月10日

没年
昭和38(1963)年11月26日

出生地
東京

本名
岡崎 ゑ以

別名
号=艶栄,つやえ,つやゑ女,えん女

経歴
実父は政治家の大木喬任で、母は大木寵愛を受けた芸妓であった。母の嫁ぎ先である東京・三十間堀河岸通りの船宿・寿々本で育ち、長じて銀座裏通りに和風の居酒屋・岡崎を開業。気が強くて個性がある名物女将で、店は久保田万太郎・永井荷風・泉鏡花・水上滝太郎・中島健蔵・堀口大學ら数多くの文人に愛された。また、自身も俳句を嗜み、「俳句雑誌」「文明」「花月」などに投句した。戦後は病気療養の傍ら小唄の師匠や芸妓置屋の女中などをするが、いずれも長続きせず。晩年は老人ホームに住み、昭和38年11月交通事故でなくなった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡崎えん」の解説

岡崎えん おかざき-えん

1893-1963 昭和時代前期の女将(おかみ)。
明治26年7月10日生まれ。大木喬任(たかとう)の娘。東京銀座に和風酒場をいとなみ,泉鏡花,久保田万太郎らおおくの文人がつどった。戦後,小唄師匠,芸妓(げいぎ)屋の住み込み手伝いなどをした。俳句をこのみ「文明」「花月」「初蝉」などに投句。昭和38年11月26日交通事故で死去。70歳。本名はゑ以。別名に艶栄,つやえ。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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