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岡松参太郎 おかまつ さんたろう

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

岡松参太郎 おかまつ-さんたろう

1871-1921 明治-大正時代の法学者。
明治4年9月9日生まれ。岡松甕谷(おうこく)の3男。母校帝国大学助教授となり,明治29年ヨーロッパに留学して民法,国際私法をまなぶ。32年京都帝大教授に就任,満鉄の理事をかねた。日本で最初の民法の本格的注釈書「註釈民法理由」をあらわした。大正10年12月15日死去。51歳。熊本県出身。著作はほかに「法律行為論」など。

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朝日日本歴史人物事典の解説

岡松参太郎

没年:大正10.12.15(1921)
生年:明治4.9.9(1871.10.22)
明治大正期の民法学者。熊本藩の儒者岡松甕谷の3男。母は恒子。井上匡四郎の実兄。明治27(1894)年帝大法科卒,同年同助教授,29~32年ヨーロッパに留学,帰国して大正2(1913)年まで京都帝大教授。ドイツ法学を基礎とする解釈論を展開したが,特に『無過失損害賠償責任論』(1916)は,「過失なければ責任なし」という近代法原則の修正を唱え,労働災害補償制度や公害法などの発展の出発点を画した。瀬戸内海を船旅中,工場災害で障害を受け,補償も受けず解雇された労働者と知り合ったのが,この理論提唱の契機だったという。後藤新平の委嘱で,織田万 らの台湾旧慣調査作業に協力,後藤に誘われ明治34~大正2年満鉄理事。

(長尾龍一)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

岡松参太郎
おかまつさんたろう
(1872―1922)

民法学者。熊本県生まれ。1894年(明治27)東京帝国大学法科大学英法科を卒業、同大学助教授となる。96年ドイツ、フランスイタリアに留学、99年に帰国し、同年から京都帝国大学教授となり、1913年(大正2)退官。イギリス法出身ではあるが、ドイツ法学の影響を強く受け、ドイツ流の精緻(せいち)な解釈法学を発展させた。16年に著した『無過失損害賠償責任論』は、過失責任を民事責任の原則としてその合理性を認めつつ限界を確認し、例外的に無過失責任(結果責任)を承認すべき理論上および実際上の必要と根拠とを明らかにした、この領域における優れた古典的文献である。また、留学直前に完成した『註釈(ちゅうしゃく)民法理由』3巻は、諸外国の立法例、学説を引用し、民法典各条項の立法理由を逐条的に説明し、校閲者富井政章(まさあきら)をして、「其(そ)の学力の優秀なると其の研究の至れるを証するに足るべし」といわしめた名著である。これらの著書、論文を通じて、日本の民法に本格的な研究方法を導入するとともに比較法学的研究への道を開いた。そのほか『法律行為論』(1914)がある。[淡路剛久]

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世界大百科事典内の岡松参太郎の言及

【法社会学】より

…ここには,エールリヒのほかに,ウェーバーやK.マルクスの影響もみられる。異質な社会の研究は,岡松参太郎の台湾・満州の慣行調査,梅謙次郎の朝鮮の慣行調査にみられるが,いずれも植民地統治と結びつくものであった。 第2次大戦後日本の法社会学は,まず農山漁村と家族の実態調査と歴史的研究に取り組んだ。…

※「岡松参太郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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