デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡野松寿」の解説
岡野松寿(初代) おかの-しょうじゅ
大和(奈良県)の西大門に住む檜物(ひもの)師(檜,杉などの材で曲げ物をつくる職人)といわれる。祭具製作の余暇に高砂の翁(おきな)・嫗(おうな)の人形をつくり,奈良人形の祖とされる。子孫は代々松寿と称した。宝永5年8月10日死去。通称は平右衛門。
岡野松寿(9代) おかの-しょうじゅ
宝暦4年生まれ。8代岡野松寿の弟。奈良人形の名手で,従来の粗雑な彫りに改良をくわえ,能人形,雛人形,鹿の香合などの作品をのこした。文政7年9月10日死去。71歳。大和(奈良県)出身。名は保伯。通称は平三郎。号は漁月。
岡野松寿(10代) おかの-しょうじゅ
明和5年生まれ。奈良人形の彫刻の名手として知られ,作品にはかならず「恥」の字の花押をきざんだといわれている。文政8年12月死去。58歳。名は保久。通称は万平。