岩石繊維(読み)ガンセキセンイ(その他表記)rock fibre

関連語 名詞

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岩石繊維」の意味・わかりやすい解説

岩石繊維
がんせきせんい
rock fibre

岩綿あるいはロックウールともいう。無機繊維の一つ。玄武岩安山岩,またはこれらと類似の成分をもつ火山岩および蛇紋岩橄欖岩など粘土質鉱物,石灰岩,マンガン鉱滓などの鉱石を適当に配合して原料とする。これらの鉱石を1~5cmの大きさに砕き,コークスと交互にキュポラの中に入れて 1500℃前後で溶融し,圧搾空気で吹飛ばしてつくる。 1897年にアメリカの C.ホールが天然の石灰岩質粘板岩を原料としてつくったのが始り。充填材として建築物などの吸音,断熱に利用する。また製品としては (1) 保温板 繊維を水中で溶かし,接着剤を加えて板状に成形し,保温,保冷,断熱,防火,防音用に使う,(2) 吹付岩綿 無機接着剤などを配合したものを粒状綿に吹きつけてつくる,(3) 粒状綿 繊維を豆粒大に丸め,充填用に使う,(4) 水練材 粒状綿に耐熱性接着剤を配合したもので,水で練合せて塗る保温材,などがある。

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化学辞典 第2版 「岩石繊維」の解説

岩石繊維
ガンセキセンイ
rock fiber, rock wool

岩綿ともいう.鉱石を原料として製造された人造無機繊維.安山岩玄武岩などの火山岩系の溶融しやすい原料にけい石を加えて溶融し,遠心力で吹き飛ばして繊維化する.たとえば,玄武岩(バサルト)を溶融紡糸した連続繊維バサルトファイバーがある.製鉄高炉の副産物であるスラグ(鉱滓)を原料として製造する鉱滓繊維(slag fiber)もある.岩石繊維はガラス繊維より耐熱性も高く,断熱材や吸音材として使用されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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