嵐吉三郎(初代)(読み)あらし・きちさぶろう

朝日日本歴史人物事典 「嵐吉三郎(初代)」の解説

嵐吉三郎(初代)

没年:安永9.12.8(1781.1.2)
生年:元文2(1737)
江戸中期,上方歌舞伎役者,座本。屋号岡島屋。俳名里環。2代目嵐勘四郎の門弟。宝暦1(1751)年には竹田吉三郎の名で大坂出羽芝居への出勤が確かめられる。浜芝居の大立者となったのち,8年に嵐吉三郎と改め,大芝居大坂桐の谷秀松座に登場。立役を勤め,上上吉に上る前に没した。大柄で器量よく愛敬があり,和らかみのある芸風で和事,実事,武道事,ちゃり事(滑稽みのある演技)ほか何でも器用にこなしたが,しかし鈍重であった。男伊達や相撲取りの役を本領とし,当たり役は「淀屋橋喧嘩」の早川,「双蝶々曲輪日記」の濡髪長五郎など。<参考文献>『歌舞伎評判記集成』2期

(上野典子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「嵐吉三郎(初代)」の解説

嵐吉三郎(初代) あらし-きちさぶろう

1737-1781* 江戸時代中期の歌舞伎役者。
元文2年生まれ。宝暦7年嵐勘三郎に入門,嵐吉三郎と改名。「薄雪」の奴(やっこ)妻平などの奴や力士役,男達(おとこだて)を得意とした。安永9年12月8日死去。44歳。初名は竹田吉三郎。俳名は里環。屋号は岡島屋。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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