川手(読み)カワテ

デジタル大辞泉 「川手」の意味・読み・例文・類語

かわ‐て〔かは‐〕【川手】

中世、川を往来する船に課した通行税。→山手やまて2
川に近い辺り。川の方面
官軍すでに間近くなれば、山手―の前後の備へ、十重二十重にとりまいて」〈浄・用明天王

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精選版 日本国語大辞典 「川手」の意味・読み・例文・類語

かわ‐てかは‥【川手・河手】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「手」は雑税の意 )
    1. (イ) 鎌倉・室町時代に、河川関所を通過する旅客や荷物に課した通行税。川船銭。
      1. [初出の実例]「諸国津、河手事、可止由」(出典吾妻鏡‐建暦二年(1212)九月二一日)
    2. (ロ) 中世末から近世にかけ、河川の漁労者に課した小物成(雑税)。
  3. ( 「手」は方角の意 ) 川の方面。
    1. [初出の実例]「官軍(くんぐん)すでにまぢかくなれば、山手・かは手の前後のそなへ」(出典:浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)五)

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旺文社日本史事典 三訂版 「川手」の解説

川手
かわて

①中世,河川に設けられた関銭一つ
江戸時代,小物成の一つ
関銭・津料などと同類
河川からの漁獲物に対する課税

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