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津料 つりょう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

津料
つりょう

中世,泊 (港湾) ,津 (船付場) などで徴収された公事で,ときに率分とも称された。鎌倉,室町時代には,地頭などの得分となり,彼ら領主の重要な財源であった。津料徴収の最も早い例としては,東大寺文書中に,保延1 (1135) 年,伊賀国名張郡の夏見,矢川,中村の3津の沙汰人らが,先例にそむいて東大寺の修理材木に津料を課そうとしたことがみえている。

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デジタル大辞泉の解説

つ‐りょう〔‐レウ〕【津料】

中世、船着き場や港湾に関所を設け、そこを通過する人や貨物から徴収した税。

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百科事典マイペディアの解説

津料【つりょう】

平安時代から室町時代にかけて,川や湖の船着き場としての津や海港などで,通過する人や貨物に対して課せられた関税の一種。本来は港の維持・管理のための費用に充てられていたが,後には寺社の修繕費や領主の財源として課されることが多くなった。

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世界大百科事典 第2版の解説

つりょう【津料】

平安末期から室町時代にかけて,川や湖の船着場としての津や海港などで,そこを通過する人や貨物に対して課せられた関税の一種。1135年(保延1)伊賀国黒田荘内の夏見・矢川・中村の3ヵ津の沙汰人が,東大寺東円堂の修理木材より徴収したのがその早い例である。また,これより時代の下った1158年(保元3)から78年(治承2)にかけて,黒田荘に隣接する大和国藤井荘の津沙汰人が津料とともに,河守の食料に充てるため官食料を徴収している。

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大辞林 第三版の解説

つりょう【津料】

中世、津(=港)でとりたてた交通税や運輸税。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

津料
つりょう

平安末期から戦国期にかけて津(船着き場)や港湾に設けた関所で徴収した関料のこと。津料は、その徴収方法によりさまざまな名称があり、升米(しょうまい)(石別(こくべつ))・置石(おきいし)料(艘別(そうべつ))・商船目銭(もくせん)(商品税)などともよばれる。津料は本来は港湾修築費にあてるために徴収していたが、しだいに寺社、荘園(しょうえん)領主、地頭(じとう)、守護、在地領主らの重要な財源となり、室町期は関所の乱立期となった。鎌倉・室町両幕府は、津料徴収禁止令を出しているが、禁令として実際に効力を発揮したのは「今川仮名目録(いまがわかなもくろく)」にみられるように戦国大名によるものであったと考えられる。[鈴木敦子]
『相田二郎著『関所の研究』(1943・畝傍書房/再刊・1972・有峰書店) ▽豊田武著『中世の商人と交通』(1983・吉川弘文館)』

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世界大百科事典内の津料の言及

【市】より

…武蔵国新町村では1675年に,市に出る商人から業種に応じて32文ないし64文の雑用(ぞうよう)を徴収することをきめているが,会津の田島の市では貞享ころに盆前節季の〈見せ賃〉として内見世にいるものからは50文,外にいるものからは10文あるいは20文を取っていた。近世後期にも店賃の徴収は行われ,寛政(1789‐1801)の例では中山道深谷宿が7月,12月の2回,市日2日ずつ,市用に出るもの1人につき〈津料〉6文を徴収していた。幕末の例であるが武蔵国川越城下町では問屋場の久右衛門が問屋給分のほかに,毎年7月と12月の市日に,川越の市へ集まって店を出すものから〈つり銭〉と称する店賃を取り立てて問屋給分に加えていた。…

【関所】より

…率分関は京都の出入口の,いわゆる七口などに置かれた陸関が多く,造営関が港津に設けられることが多かったのと好対照をなしている。 地方では津,湊を領有する地頭などが関を設けて津料河手(かわて)と称して通行税を徴収した。鎌倉幕府は1212年(建暦2)以来たびたび法令を発してこれを取り締まったが,得分として津料や河手の徴収権を主張する地頭御家人の抵抗が強く,全面的に禁止することができなかった。…

【関銭】より

…また,鎌倉初期の1196年(建久7)には東大寺僧重源が摂津国の魚住・大輪田両泊の修復のため,両泊を通過して京上する船の運上米より石別1升を徴収した。この〈勝載料〉以外にも勘過料,津料,官食(かんじき)料などの名目で,港湾や津を通行する船舶よりその施設の維持のため通行税を徴収した例が多くみられる。 関米として徴収された通行税は,初期には運送料の100分の1が一般的だが,この割合はしだいに高くなり,また各関での割合の変化や,さらには同一の関でも通過する貨物によって徴収額に違いが生じるなど,一律というわけではなかった。…

【津】より

…これらは河海による交通障害の多い地理的条件におかれた日本中世の交通網と都市類型の歴史的特徴である。津は通関税である津料(勝載料,官食料,置石,升米,帆別銭などとも),またある場合は,それと市場税をあわせた市津料を徴収した。中世において,その得分が荘園本所から地頭にいたる領主諸階級によって分配されたことはいうまでもないが,同時に,一定部分が津の諸施設の維持・修理のためにも使用された。…

【泊】より

…室泊(むろのとまり)は周囲を山で囲まれた絶好の風待港であり,魚住泊は明石海峡を東西流する潮流に対する潮待港であった。五泊においても,防波堤・石椋(いしくら)の維持を理由として,勝載料と称する津料が行来の船から徴取されたが,例えば鎌倉初期,伊勢神宮がその神人(じにん)への津料賦課の免除を〈諸国往反津泊預〉に要求したように(《鎌倉遺文》843号文書),中世では各地の泊が津料を徴取していたことが知られる。なお中世においては,風波の難のため〈泊なきの致す所なり〉といわれるまでに廃滅してしまった大輪田泊の(平清盛による)再建が,〈新嶋〉の造築により行われたように,石椋や堤のみでなく,築島(つきしま)の土木技術が一般化したことが注目される。…

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