川竹（読み）カワタケ

デジタル大辞泉

かわ‐たけ〔かは‐〕【川竹／河竹】

１ 川のほとりに生えている竹。
２ メダケ、またはマダケの別名。
３ 《川竹の流れの身から》遊女。遊女の身の上。
「いづれも―なれば、ただただ後世を願ひ」〈難波鉦・四〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かわ‐たけかは‥【川竹・河竹】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 川のそばにはえている竹。
   1. [初出の実例]「うれしやなみよなが橋のかはたけもそよと答へて風わたる也」(出典：散木奇歌集（1128頃）祝)
3. ② 竹の一種。
   1. (イ) 「まだけ（真竹）」の古名。〔十巻本和名抄（934頃）〕
   2. (ロ) 特に、御所の清涼殿の東庭の御溝水(みかわみず)のそばに植えてある竹。
      1. [初出の実例]「御輿一具、〈略〉盖下桟料川竹十株、盖料菅一囲」(出典：延喜式（927）一七)
4. ③ 「かわたけ（川竹）の流れの身」の略。〔運歩色葉（1548）〕
   1. [初出の実例]「六条三筋町に不便(ふびん)や川竹(カハタケ)の勤を致す」(出典：歌舞伎・景政雷問答（1700）三)
5. ④ 近世の上方で、官許以外の遊里。寛政（一七八九‐一八〇一）頃から天保（一八三〇‐四四）にかけての流行語。江戸でいう岡場所。島。
   1. [初出の実例]「恋にかしこき人を粋といふ。また通ともいふなれ。〈略〉其集る処を花廓(くるわ)といひ、川竹といふ」(出典：洒落本・睟のすじ書（1794）叙)
6. ⑤ 植物「うきくさ（浮草）」の異名（春雨抄）。
7. ⑥ 植物「いたどり（虎杖）」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙（1847）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

動植物名よみかた辞典　普及版

川竹 (カワタケ)

植物。イネ科の竹,園芸植物,薬用植物。マダケの別称

川竹 (カワタケ)

植物。女竹の古名

出典　日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典　普及版」

世界大百科事典（旧版）内の川竹の言及

【メダケ(女竹)】より

…とりわけ若竹の竹の皮は白くて美しい。川端によく育つので，川竹（かわたけ）ともいう。大きいものは稈の直径3cm，高さ8mにもなる。…

※「川竹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」