差回す（読み）サシマワス

デジタル大辞泉

さし‐まわ・す〔‐まはす〕【差（し）回す】

［動サ五（四）］指定の場所などへ行かせる。差し向ける。「迎えの車を―・す」「使いの者を―・す」
[可能]さしまわせる
[類語]遣る・送る・送り出す・出す・発する・派する・差し向ける・差し遣わす・差し立てる・遣わす・回す・派遣する・差遣する

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

さし‐まわ・す‥まはす【差回・指回・鎖回】

1. 〘 他動詞 サ行五（四） 〙
2. [ 一 ] ( 「さし」は接頭語 )
   1. ① まわす。
      1. [初出の実例]「わかき人々さそひ出でて、池のふねにのせて、なかじまの松かげさしまはすほど、をかしくみえ侍りければ」(出典：新古今和歌集（1205）賀・七二二・詞書)
   2. ② ある場所から他の場所へ、必要な物、人などを送る。現代では、乗物についていうことが多い。さし向ける。さしつかわす。
      1. [初出の実例]「車さしまはして、幕などひきて」(出典：蜻蛉日記（974頃）上)
      2. 「両議案を中央公会に提出して之を議決し、又之を五百名会に差し廻しけり」(出典：経国美談（1883‐84）〈矢野龍渓〉後)
   3. ③ ( 指回 ) 能楽や舞踊などで、さしまわしの型をする。
3. [ 二 ] ( 鎖回 ) 門や戸などを、すっかりとじてしまう。しめきる。また、びょうぶなどを立てめぐらす。
   1. [初出の実例]「門どもさしまはして、さきざきにも似ず厳しげなりければ」(出典：尾張家本今鏡（1170）六)

出典　精選版 日本国語大辞典