遣わす(読み)ツカワス

デジタル大辞泉 「遣わす」の意味・読み・例文・類語

つかわ・す〔つかはす〕【遣わす】

[動サ五(四)]連語「つか(使)わす」の意味が発展して一語化したものという。3原義であるが、後に敬意が薄れて下位者を派遣するだけの場合にも用いる》
目上の人が目下の者に対して人などを行かせる。やる。派遣する。「使者を―・す」
目上の人が目下の者に物などを与える。賜う。下賜する。「ほうびを―・そう」
古くは「行かせる」「与える」の尊敬語として、「給う」などを付けないで用いる。ご派遣になる。お与えになる。
靱負命婦ゆげひのみゃうぶといふを―・す」〈桐壺
「ありつる御随身して―・す」〈夕顔
勅撰集などの詞書や目上に対するかしこまる会話・消息で話し手側の動作として用い、物などを与えるのを、与える相手を低めることによって、聞き手に対し丁重に表現する。くれてやります。
「雨の降りけるに、藤の花を折りて人に―・しける」〈古今・春下・詞書〉
補助動詞)動詞の連用形に助詞「て」を添えた形に付いて、相手に対する動作を尊大な気持ちを含めて表す。…してやる。「書いて―・す」「ほめて―・す」
[類語]差し向ける差し遣わす遣る派遣与える送る送り出す出す発する派する差し立てる回す差し回す派遣する差遣する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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