市況産業(読み)しきょうさんぎょう

精選版 日本国語大辞典 「市況産業」の意味・読み・例文・類語

しきょう‐さんぎょうシキャウサンゲフ【市況産業】

  1. 〘 名詞 〙 取引市場の景気業績が左右されやすい産業鉄鋼繊維製紙など。

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改訂新版 世界大百科事典 「市況産業」の意味・わかりやすい解説

市況産業 (しきょうさんぎょう)

メーカーは見込み生産をするが,実需が景気の好・不況にともない大きく変化するため,在庫,価格に大きな変動が生ずる産業。これに対し,需要者の注文に応じて生産する産業を受注産業という。その範囲は必ずしもはっきりしないが,鉄鋼,非鉄金属,繊維,紙・パルプ,ゴムなどの生産財産業の多くが市況産業であり,資本財でも汎用モーターのような量産工業はこれに入る。一般的に,品質やブランドによって自社の製品と他社の製品を区別して販売することができない標準的な量産品で,需要量が大きい製品では,各メーカーは需要を予想して大量生産を行う。それは,量産によるコスト低下の効果が大きいからである。ところが予想に反して景気が悪くなり需要が減退すると,在庫が急増する。大量の在庫が発生すると,販売競争が激化して値くずれが生じる。メーカーは減産し在庫の削減を進める。やがて景気の回復にともない需要は増加に転じ,さらに拡大を続けると,在庫は適正水準を割り,価格は上昇する。
市況商品
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市況産業」の意味・わかりやすい解説

市況産業
しきょうさんぎょう

そのときの相場によって価格が左右されるような製品を生産している産業をいう。価格変動要因としては需給関係が最も大きく,ときに政策的 (人為的) な操作によることもある。砂糖アルミニウム,繊維,紙・パルプ,セメントなどがその典型である。

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